住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居『良寛さまの涙』、未完成上演

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(紙芝居『良寛さまの涙』より)
 ・・紙芝居『良寛さまの涙』が、ほぼ完成した。
 良寛ファンの[檀家総代]であるYさんのお宅で、(今日は月参りの日でもあり)出来を見てもらおうと持って行った。
 ところが、Yさん(ご主人)の体調が悪い。
 ケア・マネージャーも来られていて、何やら仏壇の隣の部屋で、ひそひそと話声が聞こえる。
 「・・日が悪かった。又今度や。」と思って、「お邪魔しましたぁ」と言って、そっと帰ろうとしたら、奥さんに呼び止められた。
 「院主さんも、こっち来て。・・冷たいお茶を入れたし、羊羹もあるよ」と言われ、ケアマネさんが一緒に居てはんのに、何か居ずらいなぁ・・と思いながらも、羊羹につられてズルズル部屋に入った。
 「院主さん、調子悪いんや。何か暑いし、気が滅入って」と旦那さん。
 「元気出さなあかんよ。」と、奥さんとケアマネさん。
 僕はお茶を飲みながら『待ってました!』と内心思い、「今日、紙芝居持って来てますねん。まだ95パーセントの出来ですけど、観てもらえますか?」と(あつかましくも)尋ねた。
 旦那さんは「観たい」とおっしゃい、ケアマネさんもついでに「観たい」とおっしゃったので、初披露をした。
 さて、どんな話かは、以前このブログでも載せたので、割愛して、最後まで、皆さん静かに観て下さった。
 奥さんは「ええ、話やねぇ。涙がでそうになるわ」と言って下さり、ケアマネさんもしきりに頷いてくださった。
 そして、肝心の旦那さんは、「ええ話や。ありがとう」と言って下さり、帰ろうとする僕に「有難うございます!」と大きな声でおっしゃって下さった。
 その声の大きさに、奥さんもケアマネさんも大変、驚かれたようだ。
 帰り際、車に乗り込む僕に、奥さんは「仏様のお陰を頂きました」と手を合わせてくださり、照れくさい僕は「長居してすみませんでした」と、早々と引き上げたのであった。

 

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