住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「妙好人 大和の清九郎(後編)」その3

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 清九郎の家に泥棒が入ったのです。
 泥棒は、寝たふりをしている清九郎に気づかず、金目の物を探しました。
 ・・が、何も無いので、土間から米俵を盗もうとしました。
 それを見た清九郎は、がぱっと起き上がって、
「・・泥棒さん、そんな重い物は大変だろう。
 明日、もう一遍来なせぇ。その米をお金に変えておいてあげるから。」と、言いました。
 びっくりした泥棒でしたが、
「本当だな・・」と言って、何も盗らずに帰って行きました。
 次の夜、(その間抜けなというべきか、)その泥棒は案の定、やって来ました。
 (余談だが、これと似たようなエピソードが、この前観た映画『不思議な岬の物語』にあったなぁ・・。)
ファイル 1364-2.jpg
 清九郎は「待ってましたぞ!」と言って、お金を揃え、その上、ささやかな御膳まで用意していました。
 ・・驚いた泥棒は、
「なぜ、ワシの為にそこまでするんじゃ。」と言うと、
清九郎は「前世で、ワシがお前に借りていた借金を、今、このように返す機会を、阿弥陀様から与えてもろたと思うと、ワシはうれしゅうて仕方がないんじゃ。」と言いました。
 それを聞いた泥棒は、両手をついて、謝ったということです。 つづく
 
 

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