住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「因幡の源左さん」(その4)

 大きな気づきを得た源左さんは、それからというもの、以前にも増して、阿弥陀(仏)さまに感謝しながら、よく働きました。
 早ければ、午前一時、遅くとも三時には起き出し一仕事終え、午前五時頃には御仏壇でお勤めをして、田んぼへと向かうのでした。
 源左さんがよく口ずさんだ歌に、『朝寝するなよ、勿体無いぞ。明けて下さる朝日さん』と、いうものがあったそうです。
ファイル 981-1.jpg
 又、源左さんは仕事に掛かると決して休むことなく働いたそうで、途中で眠たくなれば、田んぼに手を突っ込んだままの姿勢で、眠ることがよくあったそうです。
ファイル 981-2.jpg(現在の源左さん宅)
 さて、源左さんには『ようこそ、ようこそ。さても、さても。』という一つの口癖がありました。
 この意味は『なんとまぁ!よくぞ、よくぞ、阿弥陀さまは我々の為に、悟りを開いてくださったことか!ありがたい事だ。』という意味だそうです。
 源左さんは、どんな時にも、この口癖がよく出ました。

(・・余談ながら、僕はこの口癖の意味を間違って捉えていた。
 つまり、『ようこそ、ようこそ』とは、大阪弁でいう『いらっしゃい、いらっしゃい!(仏さんの話を)よう聞きに来てくれはった、おおきにおおきに』と、同意義に捉えていたのだ。 
 しかし、現:願正寺のご住職から、「この『ようこそ』とは、『よくぞ・こそ』というこの地方の一種の方言であり、『なんとぉ、まぁ!』と驚いたような《感嘆詞》なのです。
 だから源左さんは、毎時、我々の事を思って下さっている阿弥陀さんに、感嘆詞を上げて感謝されていたという事ですね。」と指摘してくださった。
 それで僕は、初めて間違った捉え方をしていたことに気づいたのである。・・この場をお借りしまして(どの場や?)、願正寺御住職さま、ありがとうございました・・と、御礼申し上げます。『おおきに、おおきに、さてもさても・・。』) つづく
 

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