住職のつぼやき[管理用]

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永代経法要記念公演「ひとり芝居:新屋英子師」『身世打鈴』

ファイル 901-1.jpg(新屋英子師)
 今年の『観念寺:永代経法要』はお勤め終了後、会場を一階ホールに移して、〔劇団野火の会〕の看板女優:新屋英子師をお招きし、ひとり芝居『身世打鈴(しんせたりょん)=(身の上話という意味)』を、皆で鑑賞した。
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 新屋英子師は、1928年生まれの今年84才。ご高齢ながらも現役の『野火の会』のベテラン女優だ。
 山田洋次監督の映画『学校』のオモニ役や、また『パッチギ』や『ジョゼと虎と魚たち』など、多数の作品にご出演されている、
 今回のお芝居も新屋さんのライフワークで、現在公演回数は、二千三百回を超えるそうだ。
 このお話は、ひとりの朝鮮人おばあちゃん~在日オモニが、とある騒々しい電車の線路下で、廃品回収の仕事をしながら、観客に向かって、自分の激動の半生を皆に語るというスタイルでお芝居は進み、その中で民族差別や戦争の愚かさなどを浮き彫りにして、「戦争はあかん」と皆に訴えかける。

 新屋さん自身は日本人なのだが、「自分は昔、知り合いのオモニ達からつらい身の上話を聞き、それを皆に是非知ってもらおうと、このお芝居を作りました。」と、お芝居のオモニに成り切って熱演され、私たちに深い感動を与えてくださった。 
ファイル 901-3.jpg(娘から花束贈呈)
 最後、主人公オモニは(会場の僕達)観客に向かって「カムサハムニダ、おおきに、よう聞いてくれたな。コマスミダ、おおきに。アンニョンヒケシブンヨ、さよなら。」と言って、会場を去って行くその悲しげな後姿を見ていると、会場は深い感動一杯につつまれた。(プロの女優さんはホンマ凄いなぁ。)
ファイル 901-4.jpg(最後皆で記念撮影)
 公演が終ってから、リラックスムードで、新屋さんご夫婦がその後、昔出演された映画や「仮面の忍者赤影」などのテレビドラマの裏話などをたくさん語って下さり、本当に懐かしく感慨深い一日になった。
 最後、「紙芝居をやっておられるのだったら、演劇もできますよ。人形劇をやっておられる奥様と娘さん共々、来年是非、『新屋英子市民劇団』に入って劇団員になって下さいと頼まれ、初めはリップサービスのおつもりだろうと、軽く聞き流せさて頂いていたのだが、話の雰囲気がだんだんマジになってきたので「こりゃあかん」と思い、そうそうに引かせて頂いた。(笑い)
 ほんとに、楽しいお話を一杯聞かせてくださり、幸せなひと時でした。
 帰り、車の窓から手をいつまでも振ってくださり、とても暖かい気持ちになりました。 ありがとうございました。合掌

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