記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

紙芝居:「出家とその弟子(第一部 悪をせねば生きれぬ人)」(その1)

・・今年は〔親鸞(しんらん)聖人750回大遠忌〕の年。
 普通の人はだいたい〔50回忌〕ぐらいで仏事を終えるのだが、この方は特別だ。・・まぁ、それだけ偉大な御方(聖人)なのであろう。
 では、その偉大な御方のお考え(思想・哲学)は、どんなもんだったのだろうか?
 「750回忌まで、盛大にお勤めされる方の人生って、いったいどんなだったの?」・・と、このような素朴な疑問を檀家さんから尋ねられ、この紙芝居を作ろうと思った。
 さて、ではその「紙芝居」の原案はどうしようか?・・とは僕は迷わなかった。
 正直いって、この作品しか浮かばなかった。
 そう、それは「倉田百三」氏の名作『出家とその弟子』である。
 高校の教科書にも掲載されたこの作品。フィクションがかなり入っているものの、僕の想像する「親鸞」像はこの作品しかない。
 この作品、倉田『親鸞』像であるが、きわめて僕の好きな親鸞聖人なのである。だから紙芝居にした。
 この〔全三部作〕になる、僕の作った作品では、一番長くなった『紙芝居』を、この記念すべき年に発表したいと思う。
 前置きが長くなった。
 それでは、はじまり、はじまり~

 『出家とその弟子』第一部「悪をせねば生きれぬ人」
ファイル 772-1.jpg
 昔むかしの鎌倉時代。
 親鸞聖人とお弟子さん達が、関東におられた頃のお話です。
 この日、親鸞聖人と二人のお弟子は、旅の途中、大雪に出遭ってしまわれました。
(弟子)「お聖人様、大変な吹雪になってしまいましたなぁ・・。」
(親鸞)「ほんに困ったのぉ・・。日も暮れてしもた。」
(弟子)「あっ、あそこに灯りが一つ見えまする。あの家に一夜の宿を頼んでみましょう。」
 三人は雪の中、その家を訪ねました。
ファイル 772-2.jpg
 トントン、トントン・・。
(弟子)「もぉし、もぉし・・、」
(子:松若)「父ちゃん、母ちゃん、誰か戸を叩いているよ。」
(母:お兼)「ほんと、何か御用ですか?」

(弟子)「・・旅の僧でございます。この吹雪で難儀しております。恐れ入りますが、一夜の宿をお願い致すことは、出来ますまいか?」
 
(お兼)「お前さん、旅のお坊さんですって。この雪で泊めて欲しいとおっしゃっておられますわ。」
(父:左衛門)「何っ、・・ダメだダメだ。お断りだ!・・わしは坊主が大嫌いなんだ。帰ってもらえ!」

 何ちゅう事を、言いやがるんでございましょうか、この左衛門。
 でも、何か理由がありそう・・。 つづく