住職のつぼやき[管理用]

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映画「ヒアアフター(来世)」を観て

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 昨日、クリント・イーストウッド監督の映画最新作「ヒアアフター」を見て来た。
「ヒアアフター」というのは、「あの世」・「来世」、または仏教的にいうと「彼岸」と訳しても良いと思う。
 つまり、この映画は「死後の世界」の映画なのである。(僕が、最も興味を持つお話である)
 さてこの映画、「死後の世界」の映画なのに、「あの世」は、はっきり、断定して出てこない。・・つまり、「この世」の人間ドラマなのである。
 内容はこうだ。(まだ、見ていない方の為に簡単に・・、)
 双子の兄を事故で亡くし、「もう一度、兄に会いたい」と願い、様々なスピリチャル宗教家を訪ねる、孤独なイギリスの少年。
 津波にあい臨死体験をした事によって、「人間の生死の意味」を模索し出すフランスの人気女性ジャーナリスト。
 自分に霊と話せる力があるため、変人扱いを受け、身も心も疲れ果て今は世間から隠れるように暮すアメリカの孤独な青年。
 この三人が主人公で、各国でのそれぞれの暮らしを描きながら、やがて三人は何かに惹かれあうかのように出会い、心の孤独を癒しあってゆく。
 簡単ではあるが、これがストーリーである。
 もう一度いうが、「ヒアアフター(あの世)」という題の映画なのに、全編、『今』を必死で〔生きる〕人間を描いた作品なのである。(クリント・イーストウッド監督らしい・・)
 そして結論は、『死』の意味を真剣に考える者こそが、『生』の意味を覚ることができる。・・という所に持って行っていると(僕は)思う。(説教臭くなく、一つのイデオロギー(宗教観)の押し付けにもなってなくて、そこも好かった。)
 50歳になったおっさんの僕が、不覚にも泣いてしまった、そんな映画であった。(映画館がガラガラで良かった)
 

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