住職のつぼやき[管理用]

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「永観(えいかん)、遅し!」・・夫、騒がし、妻、恐し

ファイル 601-1.jpg〔みかえり阿弥陀〕のちらし
 今年も、京都へ『夜間寺院拝観』に行ってきた。
 今年は、大泥棒:石川五右衛門が、登って「絶景かな!絶景かな!」と叫んだといわれる『南禅寺』と、もみじの名刹『永観堂』へお参りさせて頂いた。
 『永観堂』のもみじは、まだ全部が真っ赤にはなっていなかったが、僕は《もみじ》より、闇夜にライトアップされる《みかえり阿弥陀》像が、見たかったのだ。
 この《阿弥陀》像は、名前の通り、首が横を向いておられて、真横からも拝むこともできる。
 こんな伝説がある。
 はじまり、はじまり~(紙芝居と違うっちゅうねん!)
 昔、永観(えいかん:〔ようかん〕)という、修行僧がいた。
 永観は、真夜中、本堂内を「念仏」を称えて回り続ける『行道』という修行をしていた。
 或る晩、行道中の永観は、自分の前を歩かれる一人の僧の姿に気づく。
 よく見ると、阿弥陀仏像が、自分を先導しておられたのだ。
 驚き、立ち止まった永観に、阿弥陀仏は振り向き、こう言われたという、「永観、遅し!」。
 そのお姿が、忘れられなかった永観は、実際にその時のお姿に真似た阿弥陀仏像を作られ、祀られたという。(あくまでも伝説)
ファイル 601-2.jpg〔永観堂〕たくさんの参拝者だった
 それを実際、雰囲気の出る夜分に見たかったのだ。
 僕は少し興奮していた。
 「永観遅し・・」「永観遅し・・」「永観遅し・・」「永観遅し、見たい」と、ブツブツ一人事を言い続けて並んでいたため、「お父さん、うるさい!」と、阿弥陀仏像のように妻は振り向き、「恥ずかしい!」と睨まれてしまった。
 この時の妻の顔をいつか絵にして、「父さん、恥ずかし!」という紙芝居を作ってやろう! いつか・・。

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