住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「極楽のはなし」 その2

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〔おかん〕は、きっとこの門は「極楽」への入り口だと思い、急いで門の前まで進んだ。
 すると不思議なことに、その門はギギッーと音をたてて、八の字に開いた。 
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 なんと、その門の中の有様は、〔お経〕様に書かれてあった通りであった。
 目の前に広がる光景は〔七つの宝の池〕、〔金銀でできた楼閣〕、〔宝石でできた宝の木〕、空には色あでやかな鳥が舞い、天女が飛び、・・それらを見た〔おかん〕は、ただ「あぁっ、ありがたいこっちゃ。ナムアミダブ、ナムアミダブ・・。」と感激の言葉しか出なかった。
 すると、その声に応じたかのように突然・・、 
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 アミダ如来様が〔おかん〕の前まで来られ、その手を取って、十年前に死んだ夫〔宗兵衛〕の座る《ハスの台》まで導いた。
「あぁっ、お前さまー。」
 おかんは、絶えて久しい夫の姿を見ると、「わっ」と、嬉し泣きに縋りついた。
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 〔おかん〕は落ち着くと、夫に死に別れてからの話を一部始終しゃべった。
 息子が頑張って、店を大きくしたこと。
 嫁が、自分を大切にしてくれたこと。
 孫が、可愛くて可愛くて、たまらなかったこと。
 おかんは、シャバ世界であった事を、何日も何日も夫にしゃべった。 つづく

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