さぁ、「地獄詣で」の旅を続けようかのぉ・・。
地下四階が、《叫喚地獄》。
これまでの罪に加えて、酒を飲み、人を傷つけたものが落ちる地獄じゃ。
ここでは、酒の代わりに、熱でドロドロに溶けた〔銅〕が呑まされるんじゃ。
そして地下五階が、《大叫喚地獄》。
嘘をついたり、約束を破ったものが落ちる地獄じゃ。
ここでは、鬼が〔鉄バサミ〕で、その嘘をついた者の舌を引き抜くのじゃ。
その下が、《焦熱地獄》。
ここは、これまでの罪に加え、自分勝手な考えや、振る舞いをし、人を困らせた者が落ちる地獄なのじゃ。
ここでは、頭から肛門まで、鉄串で突き通され、地獄の炎をあぶられるのじゃ。
地下七階は、《大焦熱地獄》。
ここは、これまでの罪に加え、清らかに生きようとしてる者を、辱めた者が落ちる地獄じゃ。
ここでは、炎でできた刀で、皮を剥がされるんじゃ。
そして、最下層が、《無間地獄》。別名《阿鼻地獄》とも云う。
悪という悪、すべて犯したものが落ちる地獄じゃ。
ここは、巨大な動物、蛇、鬼、毒虫などが、うじゃうじゃ居て、絶え間なく、噛み付かれたり、刺されたりするのじゃ。
どうじゃ、悪兵衛。
・・地獄で恐ろしいのはな、死ぬ事が出来ないという事じゃ。
たとえ、切り刻まれても、フゥ~ッと、涼しい風が吹くと、又元通りになってしまう。
そして、その犯した罪が消えるまで、何十年も何百年も、繰り返し繰り返し、その刑罰を受けねばならないのじゃ。
・・そして、もう一つ、地獄には別の世界があってな、そこは〔子供たちの地獄〕なのじゃ。
それを聞いて、「えっ!」と、悪兵衛は驚いた。 次回、最終回。つづく