住職のつぼやき[管理用]

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CDショップでの事

 僕はよく、《街の匂い》を嗅ぎに〔CDショップ〕や〔本屋さん〕へ行く。
 もちろん、新商品の発見と気晴らしの為もあるが、色々な買い物客たちの会話を聞いて楽しむ為・・もある。(印象に残ったセリフは『紙芝居』に使う)
 昨日も夕方から、大型ショッピングモール内に或る〔CDショップ〕屋さんに行って来た。
 これは、そこの店内での話。
 僕が、映画のDVDをいろいろと見ていると、そこへ一組の若いカップル(20代後半ぐらいか?)がやって来た。
 男の方が、女性に一言。
男「・・お前、ごちゃごちゃ言わんと、俺の選ぶ映画に決めろ!今まで、俺が選んでしょうもなかった映画は無かったやろ!俺の選ぶ映画は絶対おもろいねんから。間違いないんじゃ」と。
 それを聞いて、小さな声で女性が反論。
女「・・でも、前に見た○○は、面白くなかったよ」と。
 それを聞いて、あわてて男性は、
男「何言うてんねん!あほんだら。あの映画の面白さがお前にはわからんのか。ほんまにお前は芸術がわからんやっちゃなぁ・・」と、ずっと声の大きさで勝とうとしている。
 女性は話題を代えて、一言。
女「私、今、上映されてる○○が見たいわ~。面白そうやん」
男「あんな映画のどこが面白そうやねん。・・エエから、俺の選ぶ映画にしろ!俺の選ぶ映画に間違いないねんから」とあくまでも力で押している。
 女性は、『もう負けた』というより、自分の人格への攻撃が寂しく、(或いは腹立たしく)思ったのか、一人で別のコーナーに行ってしまった。
 男性はそれを追いかけ、(僕も追いかけ、)「待たんかい!・・俺の選ぶことに間違いはないんじゃ・・」と、(すでに映画を選ぶ領域を超えているように)追っていった。
 女性は、もう一言も発しない。
 男性は、「なんでお前には、わからんのかなぁ・・」とトーンダウンしながら、ブツブツ言うと、女性はそれを無視して、店を出て行き、男性もその後を追って出ていった。
 まぁ、これだけの話であるが、僕はこれを見て二つの事を悟った。
 ひとつは、『このカップルは、長続きせえへんやろな。(男と女の感性の違いを早く悟らな、威圧外交では《男と女の関係》は、成り立たんで)』と。
 もう一つは、「男と女の感性のすり合わせは、自分を捨ててこそ成り立つ。だから、常に(狸と狐に、いや違う)仏の境地に徹する事だ」と。
 僕は、この去ってゆくカップルを上目でチラッと見ながら、涅槃の境地に入ったのであった。(笑い)
 
 

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