住職のつぼやき[管理用]

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極楽の音色

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 「・・(仏弟子)舎利弗(シャリホツ)よ、仏の国では、宝の並木や宝の網飾りがそよ風に揺れ、美しい音楽が流れている。
 それは、百千種もの〔楽器〕が、同時に奏でられているようであり、その音色を聞くものは、誰でもおのずから仏を念じ、法を念じ、僧を念じる心を起こすのである。」 《仏説阿弥陀経より》
 
 先日、大阪『いずみホール』にて、ショパン&シューマン生誕200年記念コンサート ~ワルシャワ・フィルコンサートマスターを迎えて~《室内楽の悦び》を拝聴させて頂いた。
 この記念コンサートには、うちのお寺の檀家の〔植田延江〕先生が、ヴィオラ奏者として、ワルシャワ国立フィルハーモニーのコンサートマスター(ヴァイオリン)と協演されるという事で、(チケットを戴いて、)聞かせて頂いたという訳だ。
 その演奏は、(ど素人の僕が聞いても)『凄い!』と思った。(手と指の動きが神ワザとしか(いや仏ワザ)とか思えないのだ。)
 又、楽器も〔ヴァイオリンとヴィオラとピアノ〕の三種だけで、演奏する為、一つ一つの楽器の音色が「この楽器はこんな音色なのか~」と、はっきりと解って親しみやすかった。
 又、演奏者同士、お互いの顔を見ながら、(楽しそうに)アイコンタクトを取って、音合わせをしている様子がはっきり解って、それも人間味があって良かった。
(・・さすが植田先生、コンサートマスターを相手に、堂々と演奏で、渡り合っておられるお姿がカッコ良かったですよ!・・又、演奏って、一人ひとりの個性(感情)が前面に出るもんなんですね。よーく解りました。個性ってある意味、恐くて大事なもんなんですね。)

 ・・さて、僕自身感じた事。 
 僕はコンサート最初の〔バッハ〕の曲を聴きながら、先の「仏説阿弥陀経」の極楽では、〔雅楽〕楽器が空中に浮いて、素晴らしい音色で自動演奏している箇所を思い出してしまった。
 そして、もし、僕が極楽に往けたとしたら、願わくば(日本や中国の楽器よりも)空の上から、ヴァイオリンやヴィオラの素晴らしい音色を聞いてみたいものだと思った。
 

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