住職のつぼやき[管理用]

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「お住(じゅ)っさん、待ってたよ・・」

 前回、突然の檀家さんとの『別れの話』を書いたが、今回は、打って変わって嬉しかった話。
 それは昨日、団地で一人暮らしの〔檀家〕のお婆ちゃんのお家に〔月参り〕に行った時のこと。
 僕がお家に入るなり、「・・ああ、お住っさん、待ってました。なんと待ってる一ヶ月の長い事。私、毎月のこの(月参りの)時間が楽しみで楽しみで・・。」と、(この暖房の効きすぎた部屋で)涙ぐんで熱烈大歓迎された。
 あっけに取られて、僕は思わず、「・・何かあったんですか?」と聞き直した。
 このお婆ちゃんは「私、足が悪くなって、毎日話するのはヘルパーさんぐらいやろ。息子もたまにしか来てくれへんし、嫁には気兼ねするし、お住っさんと一緒に〔仏壇〕にお参りした後、お茶飲みながら、世間話するのが一番楽しいねん・・。今日はゆっくりできるの?(なんか、怪しい関係のような?〔笑い〕)」と、続けて言われた。
 僕は、今日は日曜やから〔ご法事〕があって、ゆっくりできませんねん。すみませんなぁ・・」というと、又涙ぐまれ、「じゃぁ今度、ゆっくりお話聞かせてなぁ。ホンマ楽しみやねんで。待ってるからなぁ。いろんな話聞かせてや。」と、ダメ押しなぐらい言って下さった。
 寂しかったとはいえ、こんなに歓迎して下さり、待っててくださっていると言う事実に、こっちが感激してしまった。そして「坊主冥利に尽きる」と思った。
 仏さまは、落ち込む僕をちゃんと慰めて下さったのだ。・・という事にしておこう。
 

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