住職のつぼやき[管理用]

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年越しの『お葬式』

 謹賀新年!
 今年も『お寺の出前!紙芝居屋亭』をどうぞよろしくお願い致します。
 さて、今年の第一回目は「年越しのお葬式」のお話。
 昨年の12月30日の夕方に〔葬儀会館〕から電話があり、老人ホームで亡くなられた方の〔お葬式〕をして欲しいとの依頼があった。
 人が亡くなるのは、〔年末年始〕も関係ない。・・それで、お寺の大掃除をしていた僕はすぐに着替えて、葬儀会館まで〔枕経(臨終勤行)〕を挙げに行った。
 亡くなられた方は、103才のお婆ちゃんであって、親戚の方がすでに20人ほど集まっておられた。(・・老人ホームでお亡くなりになられて、こんなに沢山の親族がお集まりになるケースは珍しい。たいてい4~5名だから・・。)
 まぁ、それで僕は〔仏様〕に枕経をお勤めをさせて頂いたのだが、ご高齢でもあり、又、老衰死(安らかな大往生)であった為か、親族の雰囲気がやけに明るいのだ。 冗談も飛びかって笑い声が耐えなかった。 僕も楽な気分だった。(やはり、明るく、深く悲しまないお葬式をしたいと望まれる方は、健康で長生きをオススメ致します!)
 そして僕はお勤めの後、自己紹介をして、少しお話をさせて頂いたのち、年を越して行う〔お葬式〕の日程の打ち合わせを終え、さぁ帰ろうかと思ったら、親族のお一人に「院主さん、カニは食べなさるか?」と尋ねられた。
 その時、親族の年長さんがすかさず、「お坊さんは精進料理やから、そんなもの勧めたら失礼にあたるからいかん!」と言われた。
 僕もすかさず、「いえいえ、私はなんで~も頂きます」と言った。
 すると、「それやったら、カニをたくさん買ったんやけど、お寺で食べてもらえんやろうか?・・年をまたぐ葬式をしてもらう、せめてもの私等のお礼の気持ちなもんで・・」と言われて、思いっきりデカイ『かにの冷凍セット』を車から運んで持って来てくださった。
 僕は「・・すみません。ありがとうございます」と、恐縮してありがたく頂いた。
 そして次の日、お通夜の後、「法話」をする前に、カニのお礼を先に皆さんに言わせてもらったら、会場が大爆笑だった。
 それで、ものすごく喋りやすい雰囲気になって、仏様のお話させて頂くことができた。
 さぁ、今から、本番のお葬式だ!
 仏様から、カニ鍋の力を頂いたので、頑張ってお勤めしたいと思う!
 正月早々、お葬儀に行ってきます!

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