住職のつぼやき[管理用]

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突然のお客様

 今週は、よく〔突然のお客様〕がある。
 今日もそのような一日だった。
 早朝、突然に「今日、おしょうさん(お住っさん、住職さん、ご院さん・・、この方は僕を〔おしょう〕と呼ぶ)の顔を見に行っても良いですか?」と、電話があった。
 ・・僕は他に何かお話があるのかなと、変に勘ぐって、「午前中はお葬式があって留守しますが、午後からは寺に居りますから、どうぞいらして下さい」と返事をした。
(結果的には何も早急な話は無かった。・・ただの暇つぶしであったのかもしれない。・・でも、そんなことはどうでも良い。 ただ顔をみたいと言われて、僕自身嬉しかった)
 このご隠居さんの家は〔新興住宅地〕で、しかも〔坂道〕で、うちの寺から歩いて30分は掛かる。(結果的に40分掛かったそうだが、今日は天気も良く暖かかったので、肉体的負担は軽かったのではないだろうか)
 ・・まぁ、それでお昼から、85才になるこの檀家のご隠居さんはお越しになり、2時間ほど雑談をして(主に戦争時の話)、本堂でお参りをして(帰りは僕が車で送って)帰られた。
 このご隠居さん、先に奥さんを亡くされて丸2年が経った。
 息子さん夫婦は共稼ぎ。その子供さんは中学校。
 昼間はたいてい一人。
「ボケない為には、一日40人の人の顔を見ないとあかんのですって。・・でも、私は一日たいてい3人だけ。・・『デイサービスに行ったらどうだ』と息子に言われますが、まだそんなトコ行きたくありまへん。・・おしょうさんと話するの好きですねん。又、来ても宜しいか?」と、帰りがけに言われた。
「どうぞ、どうぞ、居る時は居りますし、居ない時は居ませんが、遠慮なしに居る時に、話などしにいつでも来て下さい」と言って別れた。
 僕はこんな話のできる、誰でも気軽に来れる〔お寺〕にしたかったので、夢がかなって幸せ者だと今日感じた。(童話『泣いた赤鬼』の家のような、「ドナタデモ、オイデクダサイ。オイシイオカシガ、ゴザイマス。オチャモワカシテ、ゴザイマス」と縦看板が立っているような、そんなお寺にしたかったのだ。)
・・でも、昼ごはんは夕方になってしまったなぁ。(笑)
 
 

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