住職のつぼやき[管理用]

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〔労働組合〕からの出前依頼

 『出会い』というものは、本当に不思議なものだ・・。
 今年の四月一日、大阪の〔北御堂〕で「朝の仏教講座」という講演をさせて頂いた時、その日、たまたまお寺に立ち寄られたという一人の若き『労働組合』の会長さんが、僕の話を聞かれた。
 それが『ご縁』で連絡を頂き、この度『小泉産業グループユニオン』の〔10年 組合員研修会〕へ『お寺の出前』に行く事となった。(昨日、その打ち合わせの為に、その会長さんがうちのお寺に来られたのだ)
 まぁそれで、僕は『労働組合』への〔出前〕は初めてなので、何をお話すれば良いのか?・・と、今でも少し不安だ。
 でも、その不安を打ち消してくれるような、会長さんからのメールが届いたので、(不安感が襲って来る度に)そのメールを読み直して自分を鼓舞している。
 今日はその《不安を和らげるメール》の中身を少し紹介させて頂きたいと思う。

「(前略)・・私はこの4月より労働組合専従者として、こちらに転勤してまいりました。当日は初出勤の朝でした。慣れないラッシュの地下鉄を降りて職場に出向く前に、北御堂で手を合わせる為に立ち寄ったのです。
(中略)・・私が中に入ったら、ちょうどカンダタが堕ちて行くところでした。(この日、僕は紙芝居『くもの糸』他をやった)
 (その紙芝居を見て)、新しい職場、新しい役割のため、緊張と不安で当日を迎えていた私にとって、とんでもなく心落ち着く時間となりました。
 早速 職場でその話をさせてもらいましたら、非常にうらやましく思われただけでなく、私たちの組合の研修にも来て頂けないかという話になりました。
 市場環境のせいか はたまた成果主義のせいか、どうも気配りや思いやりが無くなり、愛情が自分にばっかり向いている人が増えてきている中で、優しい気持ちにさせてもらった私の体験を、周りのみんなにも伝えることができないものかと思うのです・・(後略)」
 ・・そして、今回の正式な『お寺の出前:講演』の依頼となった。
 「なんと、感情移入のし易い、又、やさしい言葉で人をその気にさせる文章であろう!」と、僕は読んで思った。
 人をその気にさせるのは、利益や理屈ではなく、ひょっとすると情念に訴える感情なのかもしれないと、僕はこのメールを読んで思ったのであった。

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