住職のつぼやき[管理用]

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岐阜行き、余話

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 ・・岐阜への出前、余話。
岐阜に行ったら、是非行きたいと思っていた場所が、一ヶ所あった。
 それは、『落語の祖』といわれるお坊さん、〔安楽庵策伝(アンラクアンサクデン)〕さんの故郷、そして〔策伝〕さんの出家したお寺《浄音寺》(写真)であった。
 〔策伝さん〕は、戦国時代のお坊さんで、美濃の国〔今の岐阜市三輪〕の出身である。(岐阜別院から、北へ車で40分ほどであった。・・カーナビを使って、田園風景の中に埋もれるお寺へ、なんとか、たどり着いた。嬉しかった!・・その晩、策伝さんがお寺で出迎えてくれた夢を見た!)
 〔策伝さん〕は、由緒ある家柄の出であったそうだが、(写真)の浄土宗《浄音寺》で、七歳の時に出家。十一歳で、京都に上がり修業を積み、そののち、二十代半ばから全国各地を回り、廃れていたお寺を次々に再興し、この岐阜の《浄音寺》の住職を経た後、やがて六十歳で、京都の《西山深草派総本山・誓願寺》の第五十五世法主となられた。
・・とまぁ、立身出世された凄い方なのであるが、僕が興味を持ったのは、その全国を行脚しておられた時の「めっちゃ、おもろかったお笑い体験談」を『醒睡笑(セイスイショウ)』という全八巻の本にまとめ上げ出版された所に惹かれたのだ。(戦国時代にも、〔お笑いネタ〕が一杯あったのね!・・いや、時代があまりにも悲惨だったので、皆を笑わして慰めようとされたのか・・?)
 今、この〔策伝さん〕の『落語ネタ本:醒睡笑』を紙芝居化しようと思っていて、ずっと練っているだが、その為には、やはり〔策伝さん〕の故郷を見ておきたかったのである。
 僕はこの誰もいない、《浄音寺》で合掌し、念仏して、〔策伝さん〕に語りかけた。
「策伝さん、あなたは、こののどかな田園風景の中で、ご自分が経験されたおもろい、オチのある話を、たくさん思い出し、そして書き溜めていたんですね。・・さぞかし、夜中、布団の中でも、一人思い出し笑いを、一杯されたことでしょう。 はっきり言って、あなたはお坊さんとして『変』です!・・でも大好きです。憧れます。 そんな「変テコ」な本を書き残そうとされたところが・・。あなたがいなければ、おそらく今の『落語』は無かったでしょう。いや或いは、違う形となっていたでしょう。 僕もあなたの足元にも及びませんが、おもろい話や、自分が感動した話を精一杯「紙芝居」やブログに書いて、発表したいと思っています!・・だから、キレのあるお笑い『仏教法話』ネタが、今後一杯思いつくことができますように、お浄土からどうかお力をお貸し下さい。たのんまっさ!」と。 合掌

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