住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

筋ジストロフィー青年との会話記録 その1

 先日、本箱を整理していたら『筋ジストロフィー青年〔N君〕との会話~国立T病院Y病棟への訪問記録~』〔平成8年2月~平成10年4月〕という冊子が出て来た。
 ・・これは、僕が今のお寺に引っ越して来るまで、二・三ヶ月に一回、このT病院に訪問していた時の記録である。
 10年の前の記録だが、今読み返してみても、昨日の事のように思い出される。(この冊子のN君は、もうすでに亡くなっているが・・)
 この記録が出てきたのも何かの縁かもしれない・・又このまま眠らせておくなというN君からのメッセージかもしれない。
 だから、何回かに分けてこの『訪問記録』を編集し、ブログに載せてみたいと思う。
 おいおい《N君》については、どのような青年なのかは書かせてもらうとして、ちなみに《筋ジストロフィー症》という病気を簡単に説明しておくと、この病気は『原因不明の難病で、筋肉の萎縮と脱力が徐々に進行し、歩行や運動が困難となるという疾病。5~6才で診断され10代で亡くなる率が高く、今のところその治療方法はまだ見つかっていない》となんとも残酷に『家庭医学百科』には書かれている。
 N君は、先天的進行性のこの病気だったのである。
 
 《記録のはじめに~》
 『平成8年2月22日、私は初めてT病院で、(お寺の)恩師のO先生の紹介により、N君とお会いしました。
 N君は、この時21才。病名は『筋ジストロフィー』でした。
 入院生活が長いN君に「誰か話し相手を探している」との事を、O先生からお聴きし、取り合えずお会いすることにしたのです。
「私に話し相手が務まるだろうか?」と心配でしたが、N君のあまりに純粋な印象に、私は胸が熱くなりお付き合いさせて頂くことにしました。今から綴るのはN君を訪問した時の記録です。』と、記録はここから始まるのである・・。
 つづく
 
 

上に戻る