住職のつぼやき[管理用]

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淀川キリスト教病院・ホスピス病棟への出前

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 何年か前に、大阪の『淀川キリスト教病院』〔ホスピス病棟〕へ、《お寺の出前》に行ったことがある。 (写真参照)
 まず、この病院から、『出前』依頼の電話があった時に、僕が言った言葉は、「僕は仏教徒ですが、そちらにお話に行かせて頂いても良いのですか?」と云う言葉だった。
 答えはもちろん「OK」だった。
 ・・それは、この病院の名には《キリスト教》が入っているが、それは〔治療の精神〕を表すものであって、入院患者さんは、〔仏教徒〕や〔無宗教〕の方が多く、又、《信仰の自由》も大事にしているから・・らしい。
 でも、《僧侶》のかっこうでお話するにしても、やはり《キリスト教病院》ということで気を使い、『紙芝居』は、外国のお話で『幸福の王子』という、天使や神が登場するものにして、益々、違和感が倍増したかもしれない。〔笑い〕

 この〔写真〕は、エレベーター前の〔休憩談話フロアー〕で、ここを会場にして、各お部屋から《ベット》ごと移動してもらい、『紙芝居』を皆さんに見てもらった。

 ホスピス病棟は、自分の限りある《命》の時間を大切にされておられる方ばかりなので、言葉も一語一語噛み締めるように、こちらもお話したのを覚えている。
静寂の中で、不思議な温もりを感じさせる《淀川キリスト教病院・ホスピス病棟》・・。又、ご縁があれば、是非行かせて頂きたいと思っている。
 
 

『死ぬに死ねん』悩み?

 先日、或る『老人ホーム』であった実話!
 『出前法話』も終わり、後片付けをしていたら、一人の車椅子の女性が、職員さんと一緒に「話を聞いて欲しい」と来られた。
 その内容は「人が死ぬと火葬される。その火葬される時、熱くはないかと心配で、この悩みが解決しないと、『死ぬに死ねん』」という事であった・・・。
 笑い事ではなく、真剣な顔で来られたので、ちょっとまいった。
 ・・が、ここは、力強く言っとかんとダメだと思い、「大丈夫!お経の中に、人が死んだ時には《仏様》が、ちゃんと〔極楽浄土〕から、迎えに来て下さると書いてあります。だから安心して下さい。火葬されるのは、セミの抜け殻みたいなもんで、熱くも何ともないのです!」と、ちょっと大げさに言わせてもらった。
 「これで安心しました・・」と言われ、又、職員さんと一緒にお部屋に帰って行かれた。
 考えてみれば、我々が思うより、ずっと真剣に『老人ホーム』のお年寄りの方は、《死》を考えておられるのだろう。
 これからも、そんなお年寄りの悩みに寄り添って行きたいと思う。

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