これは〔シェークスピア〕の『ベニスの商人』という《戯曲》を日本を舞台に変え、パロディ化した作品である。(・・実はこの紙芝居、海外の〔臓器売買〕のニュースを見て『問題提起』をしようと思いサスペンス調に作り始めたら、いつの間にかコメディになってしまったというオチャラカな作品である!)
(あらすじ) 〔文学もの16〕
昔、或る大きな町に〔岩吉〕という悪徳金貸しの男が住んでいた。ある日、〔岩吉〕の店に、正直者の〔太郎ベエ〕という若者がお金を借りに来た。
実は〔太郎ベエ〕、親友の〔コブへエ〕の《結婚資金》を何とか工面しようと、お金を借りに来たのであった。
一方〔岩吉〕はというと、この〔太郎ベエ〕が大嫌いであった。・・それで、お金を貸すにあたり、とんでもない条件を突きつけた。それは「もし、万一期限までにお金が返納できなければ、〔砂金一袋分〕を太郎ベエの〔胸の肉〕で返さなければならない!」という条件だったのだ。
〔太郎ベエ〕はその条件を呑んだ。・・が、しかし無情にも期限までに、お金を作ることができず、〔太郎べエ〕は〔岩吉〕との約束を守らねばならなくなってしまった。
〔岩吉〕はほくそ笑み、《証文》を手にし、白昼堂々と〔太郎べエ〕の命を奪ってやろうと、奉行所に訴え出た。
そして、奉行所のお白州(シラス)に、〔岩吉〕と〔太郎べエ〕そして参考人として〔コブへエ〕が召喚された。
なんとか、《命》を助けようと〔お奉行〕も頭をひねったが、《証文》がある為にどうする事もできない。
「もはや、これまで!」・・と、〔岩吉〕が短剣を〔太郎べエ〕に突きたてようとしたその時、「ちょっと待った~!」と奥の部屋から、もう一人の〔お奉行〕、自称《遠山の金さん》の弟、《銀さん》が現れた。
そして《銀さん》は言った!
「この証文には、砂金一袋分の〔胸の肉〕は切り取っても良いとあるが、〔血〕の分量までは書いてない!もし、一滴でも〔血〕が流れりゃ、こんどは〔岩吉〕!お前を裁かしてもらうぜ!」と腕の《もみじ吹雪》をちらつかせ〔タンカ〕をきった。
これには〔岩吉〕、どうすることもできず、やがてスゴスゴと退散したのだった。
「これにて一件落着!」
実はこのお奉行《銀さん》は、〔コブへエ〕の許婚(イイナズケ)の〔おミヨちゃん〕が変装した姿であった。
芝居好きの〔おミヨちゃん〕、まさに婚約者とその親友を救う為に《人肌》脱いだのであった!おしまい
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