住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『消えない灯明(アカリ)』~貧者の一燈(イットウ)~

《貧者の一燈》 意味:『貧しい者の真心のこもった寄進は、富者がお金に飽かせて行う大量の寄進よりも勝るという意』
ファイル 98-1.jpg (あらすじ)〔仏教もの9〕『賢愚経』より
 昔、インドの或る町に〔ナンダー〕という貧しい老女がいた。
彼女は身寄りも住まいもなく、毎日道端で座り込み〔物貰い〕をしていた。
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 ある日のこと、この町に〔おシャカ様〕が大勢の弟子をつれてお説教に来られた。そこで、町の人々は手に手に捧げ物を持って、毎日お話を聴きに出かけた。〔ナンダー〕はその様子を「こりゃいったいナンダー?」と不思議そうに見ていた。彼女は「おシャカ様のお話がいくら尊くても、お腹の足しになるわけじゃなし・・、わざわざ聴きに行く必要はない」とそう思っていたのだった。
 しかし、町の人のその真剣な様子を連日見ていたら、「もしかしたら、もう一生このような機会(チャンス)はないかもしれない!・・」とついに彼女は意を決して、自分も聴聞に行こうと決めたのだった。・・しかし、彼女には何も〔捧げ物〕がなかった・・、
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そこで彼女は自分の大事な〔髪の毛〕を切り、それを売って、わずかばかりの〔油〕を手に入れ、それをおシャカ様に捧げることにした。
 そして〔ナンダー〕はその夜、感動に震えながら、おシャカ様のお話を聴いた。・・しかしその時、突然の大嵐が吹き荒れ、人々が捧げた〔灯明〕はすべて消え、《会場》は真っ暗闇になってしまった。
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 しかし、〔ナンダー〕の灯明だけは不思議なことに消えなかった。・・そのお蔭でおシャカ様の《お説教》は中止にならずに、無事に《法座》は終えることができた!
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次の日、おシャカ様はまだ灯り続けるこの〔灯明〕を見て、弟子たちに、「見よ、この灯明を!どのような嵐が来ても、この光を消すことはできないであろう。なぜなら、この油はわずかではあるが《真心》がこもっているからだ。真心の火というものは、どんなことがあっても決して消えないのだ。ずっと〔萌え~(ちゃうちゃう)〕《燃え》続けるのものなのだ!」と言われたということです。おしまい
 

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