住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『仏さまの思し召し』

 皆さんは自分の身にどんな〔悪い事〕が起こっても、それは『神様・仏様の思し召し(お考え)』なのだから、「へっちゃらさ!」と思うことができますか?
 これは、それを実践していた一人の信心深い〔おじいさん〕のお話です。
 あらすじ (仏教もの16)
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昔むかし、ある所にたいそう信心深い正直者の機織職人のおじいさんがいた。
 このおじいさんは何が起こっても「・・これは仏さまの思し召しなのだ」と言うのが口癖であった。
 ある日の事、その日の仕事を終えたおじいさんは、外で夜風に当たりながら一服していた。
 その時、盗賊の一団が通り掛かった。盗賊の頭は、盗んだ品物を背負わせる荷物持ちが一人欲しくて、そのおじいさんを無理やり引っ張り連れて行った。
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 そして或る店に泥棒に入り、片っ端から盗んだ品をおじいさんに背負わせた。
 その時、盗賊改めのお役人達が踏み込んで来て、盗賊達は蜘蛛の子を散らしたように逃げ去った。
・・が、何もわからぬおじいさんは逃げもせず、そのままお役人に盗賊と間違われて捕まってしまった。
 次の日、取調べが始まった。
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 お役人は、事の次第をおじいさんに問いただした。
 おじいさんは、淡々と語り始めた・・。
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「昨日あっしは、仏さまの思し召しで外で一服しておりました。その時、・・仏さまの思し召しで、盗賊たちが現れあっしを無理やり連れて行きました。・・そしてある店に泥棒に入り、仏さまの思し召しであっしに品物を背負わせました。・・その時、仏さまの思し召しでお役人の旦那方が現れ、何も盗む事ができず盗賊たちは逃げました。そして、仏さまの思し召しであっしだけが捕まり、今日仏さまの思し召しで、この白砂で事の次第をすべてお話しております」と言った。
 それを聞いたお役人は思わず笑い出して言った。
「お前は何があっても〔仏さまの思し召し〕であると思っておるのだなぁ・・。」と言うと、「はい、あっしはすべて自分の身に起こる事は〔仏さまの思し召し〕だと信じております」と答えた。
 「あいわかった。そなたの正直なもの云い、すべて真実だと信じよう。これからもその信心を大切にしてまじめに生きよ。そなたを解き放つ!」と無事釈放されることになった。
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 家に帰って来たおじいさんを村のみんなは心から喜んだ。
 そしておじいさんはみんなに言った。
「お蔭さまで〔仏さまの思し召し〕によって無事に釈放されました」と・・。おしまい
 
 ・・余談になりますが、私も〔仏さまの思し召し〕によって、この《ブログ》を今日書く事ができ、皆さんも〔仏さまの思し召し〕によって今日これを読まれたのかもしれません。・・それでは〔仏さまの思し召し〕によってこの辺で終わりたいと思います。又、〔仏さまの思し召し〕によってお会いしましょう!


 

 

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