住職のつぼやき[管理用]

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どこかで、檀家が待っている・・

 昨日の「月忌参り=(月に一回の檀家さん宅での仏壇参り)」をさせて頂いた時のお話。
 こちらは二世帯同居の新興住宅地で、昼間はいつも、お婆ちゃんお一人だけが居られる。
 そこに月一回、お参りに行く。
 いつも、お婆ちゃんは待っておられる。
 勤行もそこそこに、終ったら毎回、お茶と羊羹などを出してくださる。・・そして、お婆ちゃんのお話が始まる。
 ・・僕は(なるべく)そこに行く時は、話が長くなるので一番最後の方にお参りに行くことにしている。
 昨日も、羊羹をほおばりながら、ずっと一方通行のお婆ちゃんからのお話を聞いていた。
 ・・お孫さんの学校のクラブ活動の話。通学中に起こったハプニングの話。・・久々に逢ったというお婆ちゃんのお友達の話。・・娘さんの仕事先での人間関係の話。・・飼い犬の散歩で起こったハプニングの話。・・エトセトラ、エトセトラ。
 ・・まぁ、これだけ聞かせていただくのに、軽く三十分は掛かる。(でもお話がお上手で、他人をあまり腐さないので聞いていて気持ちが良い。ちなみに羊羹も美味しい。)
 でも、やはり時間が気になる。
 途中、他の檀家さんから「待ってますけど、お参りまだですか?」とか、携帯電話が入ると、「では、又来月寄せていただきます」と言って、(犬にもお別れを言って)そそくさと席を立つ。
 ・・が、そこから又、庭で手入れしているお花の話や、その買い求めた親切な花やさんの話。・・またご近所の方の話などで、さらに時間は延びてゆく。
 最後に、お婆ちゃんが僕に一言。
 「月に一回しかお会いしないから、話したいことが山ほどあって、溜まって困ります。・・まだ、しゃべってないことがあるんやけど。・・又、来月までに思い出しておきます。」と言われて、ようやくお別れする。
 お婆ちゃん、こんど話したいこと、ノートに書いて整理しておいてくださいな。
 僕は、次への壇家さん宅に行く途中、昔懐かしい「木枯らし紋次郎」の換え歌を歌いながら車を走らせる。
「・・ど~こかで、檀家が~、きっと待って居てくれる~~。」と。

 
 
 

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