住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「因幡の源左さん」(その5)

 さて、この紙芝居の後半は、その後の源左さんの逸話をいくつかご紹介することに致しましょう。
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 ある日のことです。
 源左さんの家の〔柿の木〕の柿が、誰かにいくつか盗まれてしまう事件がおこりました。
 そこで源左さんの子供は、二度と盗まれないようにと、柿の木に〔茨(イバラ)〕を巻きつけました。
 それを見た源左さんは、「そんなことして、泥棒さんがケガをしたらどうするんじゃ。」と言って・・、
ファイル 982-2.jpg
 なんと、次の日、盗みやすいように〔ハシゴ〕を置きました。
 この行為に疑問を持った子供に対して、源左さんは、「なぁに、誰が何個盗っても、結局、わしらの方がたくさん食べることが出来るんじゃからエエじゃないか。ようこそ、ようこそ・・ナンマンダブツ」と言ったそうです。
ファイル 982-3.jpg(今も残る柿の木)
 もう一つ、(おもろい?)エピソードを。
ファイル 982-4.jpg
ある夏の盛り、源左さんは夕立に遭ってしまいました。
 全身ずぶぬれになって、田んぼから帰って来た源左さん。
 それを偶然見かけた願正寺のご住職は、「源左さんっ、よう濡れたのう。」と、声を掛けました。
 すると、源左さんは顔をほこらばせて、
ファイル 982-5.jpg
(源左)「はい、ありがとうございます。・・でも、鼻が下を向いとるんで有り難いぞな。ようこそ、ようこそ、さてもさても」と言ったそうです。
 鼻が上を向いていたら、鼻の穴に雨が入ってしまい息が出来ない。下を向いていればこそ、ずぶぬれになっても雨が入らない。
 なんと有り難い(顔を作りを整えられた)仏さまの計らいだろうと、源左さんは受け取ったのです。 つづく

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