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井上ひさし作:「しみじみ日本・乃木大将」を見て来ました

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 「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことをあくまでゆかいに・・」という名言を遺された劇作家「井上ひさし」さん。
 僕もこの言葉をいつも胸に「紙芝居」を作っている。
 やはり、とっつきにくい『仏教』を、やさしく、おもしろく、まじめに、そしてゆかいに話す方法は、『紙芝居』しか無いと(勝手に)思っているからである。
 さて、この名言を遺された〔井上ひさし〕さんのお芝居を昨日見に行って来た。(演出は蜷川幸雄さん)
 舞台の前から四列目の席だったので、俳優さんたちの汗の流れやつばきなどもはっきり見えた。(セリフを間違えて噛み、お互いが目と目で苦笑いしている姿もはっきりと見えて面白かった。・・舞台初日は緊張するんやろうなぁ。又、舞台上もものすごく暑そうで、おそらく一回の公演が終ったら体重が二・三キロ減ってると思うわ。舞台俳優さんの体力恐るべし!)

 さて、歴史上の(悲劇の)英雄〔乃木希典〕さんを、(ひょっこりひょうたん島作家の)井上さんがどのように料理するのか?・・その手法も楽しみではあったが、実際このお芝居を見て度肝を抜かれた。
 なんと乃木将軍の生涯を、その愛馬たちが突如として(前足と後ろ足に分裂し人格(馬格)を持ち)面白おかしく語り出すという奇想天外なお話なのだ。
 その乃木将軍とその愛馬の前足に扮するのが〔風間杜夫〕さんで、乃木夫人と近所のメス馬の後ろ足と明治天皇の皇后に扮するのが〔根岸季衣〕さんで、その他周りを、いろんな馬の足や歴史人物たちを登場させ、面白おかしくそして滑稽に物語は進み、やがてクライマックスの主人公の『殉死』へと移ってゆく。
 まじめに生きようとすればするほど、周りから滑稽に見られてゆく人間の悲しさや儚さが一杯つまった、それでいて愉快なお芝居であった。
 
 
 

コメント一覧

lako 2012年08月03日(金)15時16分 編集・削除

おお!!
乃木大将は、とっても興味のある人物のお一人。
大河でとりあげてほしいと思う人のお一人です。
愚直すぎて・・・って感じの方だったのでしょうか・・・
蜷川さんということは、しっかりと演出された一流の御芝居なんですよね。

しかし、ご住職はよく舞台をごらんになられますよね!

カンネン亭 2012年08月03日(金)17時09分 編集・削除

乃木大将は、愚直という言葉の通りのお方ですね。
 愚直すぎて、滑稽で滑稽で。
 井上ひさしさんは、乃木さんのお芝居を書くために、神田の古本屋に乃木関連の本が無くなるほど買い集めて研究されたそうです。

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