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紙芝居:「不思議なクマグス」(その4)

 南方熊楠の人生は、(明治期の)小さな日本国から、やがて世界を舞台に大きく羽ばたいてゆく成功者の人生と《真逆》のコースをたどった偉人だと、この紙芝居を描きながらよく思った。
 普通の偉人は、(若き日に)日本国で頑張って勉強し、やがて(齢を経て)世界に進出してゆくのに、熊楠の場合、若い頃にすでにアメリカ・南米・ヨーロッパと渡り歩き(ある程度有名に成り)、中年になって日本に帰って来てからは、ほぼ〔和歌山県〕から出ず一生を過す。・・これだけ見ても、熊楠は普通人ではなく、面白い人間だと思ってしまう。
・・では続きをどうぞ。
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 大きな夢を胸に、世界各地を渡り歩いて14年・・。
 クマグスはボロボロの服を着て、両手に植物の標本とノートだけを持って帰って来ました。
 クマグスの留学中、すでに父に亡くなり、日本の神戸港には弟だけが、出迎えに来ておりました。
・・が、クマグスの身なりを見て、「こんな姿では、恥ずかしくて兄を和歌山につれて帰れない。」と弟は思い、知り合いのお寺に、そのままクマグスを預けてしまいました。
 家族や親類の中にクマグスを理解する者は少なく、「訳の解らないものにお金を使う道楽者」としか、彼は見られなかったのです。 
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 やがてクマグスは、預けられたお寺から、和歌山県の〔那智勝浦〕に引越しました。
 そこには、弟が経営するお店の支店があったからです。
 クマグスはここで勤めながら、毎日のように那智の山奥深く入ってゆき、植物を集めました。
 ここでクマグスは、『ナギラン』という珍しい植物を発見しますが、これは「場所は《幽霊》が教えてくれたんじゃ」と書き残しています。
 どうやらクマグスは、幽霊が見えて自由に会話することができたようです。
 クマグスは幽霊にいろんな事を教えてもらっていたようで、「大昔の人間は、大自然の〔もののけ〕と自由に話せる超能力を皆、持っておったんじゃ。しかし今、物に埋まって暮らしているので、そんな力は無くしたのじゃ。」と言っています。(宮崎駿みたい・・) つづく