住職のつぼやき[管理用]

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白衣観音

ファイル 887-1.jpg

 「住職さん、これ私が描いた『白衣観音』という仏さんなんやけど、受け取ってもらえませんか?」と言われて、差し出されたのが、上の(写真)の絵である。
 これは、昨日の特養老人ホーム『白寿苑』での「法話会」終了後の話で、この絵はOさんという(女性)が、私にプレゼントして下さったものだ。
 おそらく、これはカレンダーの裏か何かに、描いた絵なのだと思うのだが、「私、住職さんの『紙芝居』を毎月見ていて、私も仏さんを描いてみようと思ったんです。・・でも、難しいもんですねぇ。 私ね、週刊誌見てたら、『白衣』を着た観音さんを見つけて、これは珍しいと思って描くことにしたんです。」とおっしゃった。
 「そんな心のこもった絵を、私が頂戴して良いのですか?」と問うと、
 「また、何枚でも描きますから。どうかもらって下さい。・・でも、仏さんの絵は、眉毛と目を描くのが一番難しいですわ。描いてて、『ホンマに一枚の絵を描くって、こんなに難しい事なのか』と、何度も住職さんの顔を思い浮かべて描いたんですよ。」と答えられた。
 実はこのOさんは、癌の病気を持っておられて、いつ変事があるかわからない。
 つい先日も、入院されていて、こちらに帰って来れないのではないかとも言われていた。・・が、しかし、帰って来られた。(あっけらかんとしておられるが、ご自分の病名は薄々気づいておられる賢い方だと、職員さんは言っておられた。)
 『白衣観音』とは、「災難を除き、延命の願いをかなえて下さる仏さまである。」
 Oさんは、今、ご自分の身体に起こっている事を知っていて、病院の医師や看護師さんの姿などを思い浮かべながら、白衣姿のこの仏さんを描かれたのかもしれない。
 この絵を頂いた僕は、大事にご本尊の仏さまにお供えしておきたいと思う。

コメント一覧

愛子 2012年04月23日(月)00時52分 編集・削除

素敵なプレゼントですねぇ。

ほんまに、簡単に見えることも自分でやってみると
すごく難しいということがよくよくありますよね。

やってみたいと思う気持ちは生きる力にもなりますね。

ええお話ありがとうございました。

カンネン亭 2012年04月23日(月)14時47分 編集・削除

愛子さん

 絵を描くのは難しい。
 でも、解りやすい文章にして紙芝居にするのは、もっと難しい。
 でも、やっぱり絵の方が難しい。
 でも、やっぱり・・・。

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