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紙芝居:「滝畑に磨崖仏(まがいぶつ)あり」 (後編)

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 「磨崖仏」は、はじめに『聖(しょう)観音菩薩像』から、彫り始められました。
 この仏さまは、災難や恐怖を取り除いて下さる御方です。
 庄吉さんは、近隣のお寺さんからいろんなアドバイスを頂きながら、旅人の安全を願う気持ちを大事にして、この仏さまを彫り始められたのでしょう。
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 『聖観音菩薩像』完成後、庄吉さんは次に、その隣に『地蔵菩薩像』を彫り始められます。
 地蔵菩薩様は、〔死後の世界〕でも救い取って下さる仏さまです。
 滝畑の崖で、亡くなられた方の鎮魂の気持ちを込めて、この仏さまを彫ろうと思われたのでしょう。
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 昭和六年、六年間余り掛かった二体の磨崖仏は、ついに完成しました。
 そして完成とともに、京都から僧侶をお招きし、お祝いの〔落慶(らっけい)法要〕が開かれました。
 又、お手伝い頂いた地元の方達に、感謝の気持ちを込めて『餅巻き』も行われたということです。
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 その後、大仕事を成し遂げられた〔夏目庄吉〕さんは、磨崖仏完成から六年後の「昭和十二年」に、六十一歳でお亡くなりました。
 晩年、お孫さんとご一緒に写された、この絵のようなお写真が、今も残っています。
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 「磨崖仏」完成から、三十六年の月日が経ちました。
 この場所に、大阪府は昭和四十八年から九年間掛けて、『滝畑ダム』を建設しました。
 このダムは、〔農業用水〕の他に、大雨の際は〔洪水〕を防ぐ役目も果たしています。
 この巨大なダムの北側の岩肌に、今も二体の仏さまが優しく微笑み、我々を見守って下さっています。 おしまい

 〔参考資料〕
 河内長野市「生涯学習情報紙」(平成19年3月№22号)より、
 「かわちながの観光ボランティア倶楽部」招集資料、
 河内長野市「児島写真館」より古写真、
 図説 河内長野市史、
 郵政省郵政研究所付属資料館より「制服の移り変わり」など。

(あとがきに代えて)
 ・・この紙芝居が完成した今も、まだ「悩んでいる」。
 (滝畑地区の歴史も、そして夏目さんが磨崖仏製作に掛けた篤い想いも)ろくに解らない僕が、果たしてこの紙芝居を作って良かったのか?・・と。
 又、紙芝居製作に関して、(もうちょっと調べ上げてから作れば良かったのに)「見切り発車」し過ぎてしまったのではないか?・・などと悩む。
 この紙芝居製作に関しては、なぜ?何故?ナゼ?・・ばかりで随分、迷い、完成した今も「これで良かったのか?」という思いが強い。
・・というのは、まず、磨崖仏製作に対しての夏目さんの「動機」が(いま一つ)はっきりしていない、と言う点。
 これは(これだけの大事業をするに当たって)夏目さんの信心の篤さと、旅人を思う優しい気持ちだけで作ったとは、とても理解できない。
 ご自分の日々の生活の中で、やむにやまれぬ「苦しい心情」、いや出来事があったに違いない。(想像であるが。)
・・でないと、これだけの大きな仏像を(お金と時間と命を掛けて)六年間費やして、(一般の素人さんが)一人で彫り上げるのは無理であろう。
 僕は僧侶という仕事をする上で、身内(お子様など)を亡くされたので、お地蔵さまを彫られた方を何人も知っている。・・しかし、これだけの規模での彫刻は知らない。
 「なぜ、庄吉さん、こんなデカイ磨崖仏を彫ったのですか!?」と、(高所恐怖症でもある〔笑〕)僕が、何度も滝畑ダムの上から身を乗り出し、問いかけた。・・が、解らず終いだったが。
 あまり書きすぎると、あとがきにならないので、これで止める(実はもっとある)が、今挙げた一点だけでも、随分迷って書いた。・・だから完成した今も、夏目さんの心情にうまく触れていないような気がして、(上っ面ばかりの紙芝居でなんか申し訳なくて)反省ばかりなのだ。
 
 では何故「製作を急いだか?」というと、パソコンで『河内長野滝畑ダム』と打ち込んで検索した時、そこに数多くの、『滝畑ダム:大阪の心霊スポット』(エトセトラ)などと題する「軽いワイドショー的」興味本位な項目が一杯出て来たからだ。
 「こんな項目が上位にランクされるようでは、夏目さんの苦労が水の泡だ。又、地元に人に対して失礼ではないか」と腹立たしく思い、一刻も早くマイナスのイメージを払拭する為(微力ながらも)作品を作って、観光ガイドボランティアの皆様方に《滝畑には磨崖仏あり!》とハッスルして宣伝して頂きたかったからである。
 ・・本当に微力なのだが、この作品を(うまく好きなように利用して頂き)、夏目さんの志を観光客の方がたに、強く発信していただければ、(正月休みを返上して急いで作った〔笑〕)作者としてこれほどの幸せはありません。ガイドの皆さん、後はよろしくお願い致します。(何か僕で協力できることがあれば、何でもしますのでおっしゃって下さい。)そして、これを読まれた読者の方は、是非一度、(かわちながの観光ガイドボランティアさん等をご予約し)河内長野『滝畑』地区へお越しください。そして《生》の『磨崖仏』を、是非ご覧になって下さい。合掌
 
 

 

コメント一覧

マロンさん 2012年01月26日(木)19時11分 編集・削除

逓信総合博物館の学芸員の石井さんに、お礼を兼ねてA-4サイズで紙芝居を送らせて頂きました。早速お礼の手紙が来て、「本当にに素敵な紙芝居ですね。こうした紙芝居が見られる、子供たちや大人達は幸せですね。紙芝居で楽しませる観念寺の住職さんのお話と、良いお話しを聞かせて頂き、お礼を伝えて下さい」と連絡が在りました。
又、2月14日には現地での法話が聞けるとの事で、楽しみにしております。

カンネン亭 2012年01月27日(金)10時16分 編集・削除

マロンさん

そうですか。
自分の知らない世界へ、紙芝居は旅立っているのですね。うれしいことです。
 それでは2月14日の(Mさん曰く「紙芝居のこけらおとしの日」)皆様とお会いできます事を楽しみにしております。

マロンさん 2012年01月27日(金)20時57分 編集・削除

御住職のブログの紹介をした所、「大阪ミュージアム構想」の「みんなの広場」に採用されて居ます。
拙い紹介ですが宜しくお願いします。

カンネン亭 2012年01月27日(金)21時27分 編集・削除

マロンさんへ(いつも書いて思うのですが、美味しそうなペンネームですねぇ)

『大阪ミュージアム構想』「みんなの広場」、拝見しました。
 ご紹介ありがとうございます。
 本当に未完成的(部分の多い)紙芝居ですが、そこは皆さんの情熱でカバーをよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

lako 2012年01月28日(土)17時46分 編集・削除

なんとなんと!
滝畑の磨崖仏の紙芝居が!!

そういえば、先日の堺の殺人事件で遺体遺棄されていたのも滝畑ダム・・・
いやなことで有名になりますなぁ・・
この仏さんたちに浄化をお願いしたいもんです。

カンネン亭 2012年01月29日(日)00時14分 編集・削除

ラコハン

 そうなんですよねぇ・・。
 滝畑磨崖仏が、好印象アピール材料になれば良いですよね。
 鹿角軍団で、是非一度、行ってくださいませ。

河内のひまわり娘 (豊子) 2012年01月29日(日)07時36分 編集・削除

前編、中編、後編それにマロンさんからのコメントを全て読ませて頂きました。
水面にポンと何かを落とせば、輪がどんどん広がる。そんな感じでこの紙芝居に関するしあわせの輪は、広がっております。宮本住職様本当に本当にありがとうございました。

カンネン亭 2012年01月29日(日)22時22分 編集・削除

河内のひまわり娘さん

コメントありがとうございます。
拙い私の紙芝居で、「幸せの和」が広がるなんて言っていただき光栄です。
 どうかこれからもよろしくお付き合いくださいませ。

EVENT MONK 2012年01月30日(月)16時07分 編集・削除

今年も宜しくお願いします。

久しぶりにお邪魔しました。

相変わらず暖かい紙芝居でしたね。

あとがきまで読ませていただき心温まりました。

いつか滝畑行きたく思います。

合掌

カンネン亭 2012年01月30日(月)22時50分 編集・削除

イベントムンクさん

 お得意のバイクツーリングで、滝畑までどうぞ!
 ついでに、観念寺も寄ってください。
 お待ちしております。

愛子 2012年08月18日(土)01時22分 編集・削除

このダム、私も見に行かねば。
この磨崖仏に呼ばれた気がしています。
そして、住職とのつながりも・・・

私は子の紙芝居を作ってくださったことに感謝していますし、どうしてこの磨崖仏を彫ろうと思われたかについては、いろんな想像が出来て、私は良かったです。

カンネン亭 2012年08月18日(土)23時18分 編集・削除

愛子さん
 そんな風にこの紙芝居を捉えて頂き、誠に感謝いたします。
 一度、行って見てください。
 願わくば、河内長野市観光ガイドボランティア(市役所内)に問い合わせされ、ガイドさんと共にダムを降りて、間近で磨崖仏を見られることをお勧めいたします。