住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「素晴らしき哉、人生!」 (その1)

ファイル 822-1.jpg(映画『素晴らしき哉、人生!』)
 今年の夏、東北(仙台)の震災ボランティアセンターに行った時、「今、被災地で『素晴らしき哉、人生!』という、古いアメリカ映画がヒットしている。・・この映画をミニシアターやビデオで、皆見ながら心を癒している。」という話を聞いた。
 僕は思わず、『そんな、被災地の人を癒す映画があるのか?!』と驚き、大阪に帰ってから、急いでDVDを探して買って見た。
 そしていつしか、このお話を日本バーションにして、紙芝居化したいと思い、先週ようやく完成した。
 それでは、日本版『素晴らしき哉、人生!』のお話をご覧下さい。はじまり、はじまり~
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〔半人前地蔵〕「皆さん、お初にお目に掛かります。ワタクシ〔半人前地蔵〕と申します。
 えっ?なぜ、半人前なのかって?・・それは、まだ私は〔地蔵〕として見習いだからなのです。
 それで、まだ〔後光〕も光っていないのですよ。・・ああ、早く人間になりたい!・・じゃなくて、早く一人前になりたい!
 そうそう、そんな私に本日、ビックチャンスが来たのです。
 ・・と申しますのは、先ほど、お釈迦さまに呼び出されまして、極楽の宮殿に参りましたら、次のように云われたのでございます。

〔お釈迦さま〕「おっほん、半人前地蔵よ。・・今、地上で人生に悲観し、自殺をしようとしている男がいる。・・お前は、その男の下に行って命を助けよ。・・そして、その男に『あぁっ、素晴らしき哉、人生!』と叫ばせてみよ。・・もしそれが出来たら、お前を一人前にして後光をプレゼントしてやる。・・どうじゃ出来るか?」と、おっしゃられたのです。

〔半人前地蔵〕「それで、もう私は嬉しくて嬉しくて、『ハイッ!』一声でお受けし、今からその男の下に向かうのでございます。 
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 おおっ、居りました。今、橋の上から飛び降りようとしております。・・確か、男の名は〔長一〕と云ったはず。
 「おーい、長一! 死んではならん!」と、私は急いで彼を呼び止めました。
 すると、長一は驚いて「あっ、お地蔵さま!」と叫び、その場でしゃがみ込んだのでございます。
 彼はひどく酔っておりました。
 私は言いました。
 「長一っ、なぜ、死のうとした。一つしか無い命。粗末にしてはならん!」と。
 すると彼は、自分が死のうとしていた訳を話し始めたのでございます。」  つづく

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