住職のつぼやき[管理用]

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Oさんの余命

 昨日の『特養老人ホーム白寿苑』での話。
 玄関から入るなり、職員のK君が僕に近づいて来て言われた。
「いつも元気に『法話会』に来ておられる、入所者のOさん(女性)が、先週、苑内で倒れられ、検査の結果〔末期の癌〕である事が解りました。・・余命は幾ばくです。もちろん、ご本人はその事を知らないのですが、少し精神的に不安なようで、住職さん、今日の『法話会』が終ってから、少しOさんのお話を聴いてあげて貰えませんか?」と、いう内容だった。
 
 Oさんは上品な人で、いつも僕が苑から帰ろうとすると、「ご遠方でしょう。気をつけて帰ってくださいね。そして又、来月も必ず、お話に来て下さいね。待ってます」と言って下さる。
 その方の命の時間が、もう幾ばく・・。
 しかし、ショックなような顔は出来ない。いつもと同じように(法話会終了後、)お話させてもらった。
 開口一番、ご本人は「私、命拾いしました。・・もうあかんか思ったのですが、救急病院に運ばれて助かりました。好かったわー。」とおっしゃられた。
 僕は何事もないように「それは良かったですね。・・たいへんやったんですね。」と答えた。
 Oさんはそれから、救急病院での話をいろいろとして下さった。
 そして「私、運がよかったんやねぇ」とおっしゃられたので、一瞬、僕は目を伏せたが「そうですねぇ。命があったんですものねぇ」と答えた。
 するとOさんは、「・・住職さん、私に何かお寺の用事で手伝える事はありませんか?」と尋ねられた。
 僕は「じゃあ、以前作って下さったような、花の形に切った(お供え物に敷く)折り紙の懐紙をたくさん作ってもらえませんか?」と頼んだ。
 Oさんは、パッと顔色を輝かせて「そうですか。仏様のお供え物の懐紙が作れるなんてとても幸せ。・・たくさん作りますね」と言われた。
 「楽しみにしてますので、一杯一杯作ってくださいね。」と僕が言うと、急いで車椅子を動かし、お部屋まで帰って行かれた。
 その後ろ姿を見ながら、僕は『Oさんはご自分の(この世での)余命を知っておられるのではないだろうか?』と思った。
 しかし、最後まで『何かの役に立てる』と、気力を持つことは大切な事だと思う。・・ガンバレ、Oさん。 合掌
 

コメント一覧

抹茶ソフト 2011年10月20日(木)00時06分 編集・削除

がんばってほしいですね♪Oさん!!
お役に立つってうれしいですよね。
私も愛出していきたいです♪

愛子 2011年10月20日(木)00時25分 編集・削除

先日から死について考えることが多くなりました。

今日はインドの光で丁度ラーマクリシュナが死ぬ前の部分を読んでいたので、電車の中で色々思い出したり考えたりしてました。

自分の存在を確かめたいとき、人の役に立ちたいと思います。
自分がここに存在していることは人との繋がりで確かめる事が一番確信できるというか・・・

目的を持った1日を過ごせるというのは有難いと思います。
ええお話をありがとうございます。

lako 2011年10月20日(木)10時15分 編集・削除

余命いくばく・・・と、宣言されても
わからんもんですよね!

今、健康に生きている人でさえ
誰も余命はわかりませんもんね。

かえって、余命宣告されたほうが
「今を生きる」を真剣にできるのでは。。
と、思ったりもしますが。

なんとなく生きて、だらだらとして、急に命がなくなって、後の祭りにならんような生き方をせんといけませんなぁ・・・

Oさんも、病気のことは忘れて
イキイキとされていたら、余命宣告なんぞ
吹き飛ばすのでは・・・と、思ってます!

カンネン亭 2011年10月20日(木)14時24分 編集・削除

抹茶ソフトさん

美味しそうなお名前で・・。
僕、どちらかというと甘党なんです。
 とくに〔抹茶味〕は大好きです。
 そういうたら、キットカットにも、抹茶味がでましたねぇ。まとめて買いましたわ。
 すんません。・・ぜんぜん、コメントに関係ないですねぇ。
 抹茶さんも、愛の熱線の出しすぎで、アイスが溶けんように。お後がよろしいようで。

カンネン亭 2011年10月20日(木)14時39分 編集・削除

愛子さん

あんまり、『死』について深く考えない方が、ええでっせ。
 故・吉田松陰さんが言うてはりましたで。
 『死ぬべき時が、(もし)来たなら、それはそれでええやんか。しょうがないもん。
 でも生きてやるべき事があるなら、やっぱり生きて、頑張りまひょ』って。
 ・・大阪弁で言うたんではありまへんが。

 お互い、その時が来るまで、一生懸命に生きまひょな。 それしかないで・・。

カンネン亭 2011年10月20日(木)14時51分 編集・削除

らこはん

『今を生きる』って言う映画、昔、見ました。
 ロビンウィリアムスが主演の学校の先生の映画やったかなぁ。
 理想に燃えてるおもろい校則やぶりの先生やったけど、結局、厳しい校則に負けて、辞めてゆく映画やったような・・。
 『今をいきる』って、だらだらでも何でも、『自分らしく生きる』ってこととちゃうやろか? 最後まで。
 それしか出来んわ、わて。

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