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紙芝居:「讃岐の源太夫(げんだゆう)!」 〔前編〕

 『今昔物語集』より
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 今は昔、讃岐の国(今の四国・香川県)に、〔源太夫(げんだゆう)〕という男がおりました。
 この男、若い頃から悪いことばかりして、村の嫌われ者でありました。
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 或る日のこと、源太夫は自分の子分をつれて、山へ猟に行きました。
 そして、その日の夕方、獲物の鳥やウサギを手に持って、山から下りて来ました。
 しかし、どこでどう間違えたか、道に迷い、道でない所から駆け下りたところ、そこはお寺の境内でありました。
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 そのお寺の中では、ちょうど〔法座〕が開かれており、お寺の和尚さんが、高座の上で大きな声で〔仏様のお話〕をされておりました。
 源太夫は、血のしたたる獲物を持ったまま、何気なく本堂から聞こえてくるお話を聞いておりますと・・・、
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 ちょうどその時、和尚さんが、
「・・いかなる恐ろしい罪を犯そうとも、阿弥陀(あみだ)仏さまの願いは『一人も残さず救います』と云う教えなのじゃ。皆さん、わかりましたかな」と、お話されたところでした。
 その時、源太夫は何を思ったか、土足でづかづかっと本堂の中へ入ってゆきました。
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 今まで熱心に、そのお説教を聞いていた村人たちはびっくり!
 見れば、あの村で悪評高い源太夫だったからです。
 その源太夫、高座の和尚さんに向かって、一声叫びました。
「おい!坊主、今お前が言ったことは本当か?!」と。 つづく