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紙芝居:「走れメロス」 その5

(続・閑話休題・・又、かいっ!)
 昨年は、『太宰治生誕百年』ということで、太宰文学の様々な作品が映画化された。
 角川映画「人間失格」もその一つであり、ファンの僕は映画館に観に行った。(ちょっとがっかりした作品であったが、映像化したのはそれはそれで凄いことだと思った。)
・・で改めて、「人間失格」の主人公〔大庭葉蔵〕と、「夫婦善哉」の主人公〔柳吉〕が、よく似た性格だな~と思ってしまったのだが、・・それは僕だけだろうか?(話のジャンルはまったく違うが・・)
 この二人、『人間大失格』な性格でありながら、どこか憎めず、大好きで、共感してしまう。
・・僕はだらしなく、弱く、繊細な人間が本当に好きなのかもしれん。それは僕の本来の姿かも。でもそれって、もしかしたら誰でもか・・?
 そして、メロスにもそんな弱い部分が・・・。続きをどうぞ。
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 「おい、小僧!ここから先へは行かさんぞ!」と突然、三人の山賊が通せんぼをしました。
「そこをどけ! 私は陽が沈まぬ内に、お城に行かねばならんのだ!・・いや、お前たち、ひょっとすると王に命を受け待ち伏せしておったな!」とメロスは叫びました。が、山賊達は何も答えず、いきなりメロスに襲いかかってきました。
 しかし、元より力自慢のメロスです。
 山賊たちの武器を奪ったと思うと、あっと云う間にやっつけてしまいました。
 「よっしゃ~、今日のところはこのへんにしといたる」と、捨て台詞を吐いて、山賊達は散々の態で逃げてゆきました。 
ファイル 658-2.jpg
 しかし、さすがのメロスも、激流を泳ぎ、山賊達と格闘した事によって疲労困憊しておりました。
 メロスはフラフラになって、自分自身に言いました。
「あぁっ、もう一歩も歩けない。・・もう、ここまでで良いじゃないかメロス。 お前はよく頑張った。 ここまでやったら、神も許してくれよう。・・これも運命なのだ。 
 友よ、こんな私を許してくれ。・・私は負けたのだ。
 そうだ、王は私に『もし遅れたら、友は殺すが、私は助ける』と言った。 ・・きっと私は助かるだろう。 しかし、そうなったら死ぬよりつらい。・・・ええい、かまわぬ。このまま悪人として生きてやれ!」
 そしてメロスは、その場に倒れこんで、まどろみ始めました。
 『立つんだ!立つんだジョー!・・じゃなくてメロス!』
 あしたはどっちだ!? つづく