住職のつぼやき[管理用]

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幻覚に悩む奥さんの話の続き

 それは突然の電話であった。
 今日、お葬式から帰って来たら、(先日書いた、)〔認知症〕になった奥さんの家族さんから、電話があった。
 「今、外から、お寺に電話を掛けてますねん。
 院主さん、助けてほしいんですわ。・・やっぱりうちの母親おかしくて、『ずっと家の中に観音様が居てはる。お地蔵さまも来てはる。・・私をあの世から向かえに来たんや。うちは死ぬんや!』と言って騒いでまして、私等が『それは幻覚や』と言っても、聞きませんねん。
・・院主さんの口から『大丈夫や』と言ってもらえませんか?そしたら、落ち着くと思いますねん」と言われた。
 僕がOKしたら、しばらくして家から電話があり、奥さんに電話を代わってもらった。
 僕は『大丈夫ですよ。・・観音さまは、あの世からは向かえに来られませんよ。それは、奥さんを守ってはるんですよ』と言うと、「あら、うれしいー。そうでしたんか。よかったわー」と言って安心されて、受話器を置かれた。
 しかし、電話を切っても僕はホッとできなかった。
 これは一時のものである。・・しばらくすると、又、同じことが繰り返されると思う。
 〔認知症の資料〕は、家族さんに手渡してきたが、やはりそれだけでは不十分だ。
 僕は素人である。できる事に限界があるし、危険もある。
 やはり、専門の医療機関にお任せするしかない。
 こんど、知り合いのケアマネージャーに、こんな時、どうすれば良いのかと聞いてみよう。
 

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