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紙芝居:「わらしべ長者」 中編

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 若者が〔みかん〕を持って歩いていると、道端で休んでいた呉服屋が、声を掛けてきた。
「あー、すまんがのぉー。荷物が重くて喉がカラカラなんじゃ。・・どこかこの辺に、飲み水は湧いとらんかのぉー。」
 若者はそれを聞いて、「う~む、この辺りに井戸は無し。・・あっ、そうじゃ。呉服屋さん、私のこの〔みかん〕をどうぞ。」と言った。
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 「あーうまかった!お蔭で生き返ったよ。・・旅の途中でたいしたお礼はできないが、これは〔みかん〕のお礼じゃ。」と言って、呉服屋は、三反の〔反物〕を差し出した。
 「ありゃ~、一本の〔わらしべ〕が〔みかん〕に変わり、今、〔反物〕に変わってしもうた!・・これも仏様のご利益じゃろうのう」と、若者は又、ずんずん歩き出した。
 すると・・、
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 今度は、横たわる馬の側で、困った顔をしているお侍に出会った。
 「どうされましたか?」と、若者が尋ねると、お侍は、
「いや~、わしの〔馬〕が急に倒れて、今にも死にそうなんじゃ。それで困った事になった、どうしようかと、思案しとったんじゃ」と言った。
 「それなら、私がこの〔馬〕を頂きましょう。・・変わりにこの〔反物〕を差し上げましょう。」と、若者が言うと、お侍は喜んで交換してくれた。
 そして、若者はその〔馬〕に、水をやり体をさすり、一生懸命看護した。
・・すると、
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 突然、「ヒヒヒーン!」と、馬は元気に立ち上がった。
 「ああっ仏さま、ありがとうございます!」と若者は喜んだ。
 そして馬にエサを与えてみると、見るからにこの〔馬〕は頑丈そうな体つきをしていた。
 「あちゃー、一本の〔わらしべ〕が〔みかん〕に変わり、〔反物〕に変わり、今、立派な〔馬〕に変わってしもうたー!仏さま、本当にありがとうございます!」と、若者は目をクルクル回して驚き、又ズンズン歩き出した。 つづく