住職のつぼやき[管理用]

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「助けてもらいはったんですね。」と、言わんかいな

 《ご仏壇》の前で、ご一緒に『読経』など、された事が無いご主人:Yさん。
 今日は、どういう風の吹き回しか、(家にも居られ)一緒に手も合わされた。
 そして『読経』終了後、「お住っさん、お茶でも入れてきまひょか?」と、きたので、僕は『何か、お話があるのやな?』と、思って〔探り〕を入れてみると、Yさんは「わし、この前まで〔大腸〕の手術で計三回、短い入院してましてん。・・まぁ、手術はうまい事いきましたから、今ここに居りまんのやけどな・・。」と言われた。
 僕は「はぁ、そうですか。うまくいって良かったですねぇ。」と、言ったら、Yさんはブスッとして、「・・お住っさん、『はぁっ』ってなんでんのん。 そこは『はぁっ、良かったですねぇ』と違いまっしゃろ。『仏さん、先祖さんに助けてもらいはったんですね。』と言わんかいな。・・鈍いでお住っさん!」と、ボロカスに言われた。
 僕はちょっと『ムカッ』と来たけど、心の中で「一理有る」と思って、「すんません」と謝った。
 するとYさんは、「わし、手術中、全身麻酔してた時、夢うつつの中で、わしの葬式の夢みましてなぁ・・。夢なんで、話はあっちこっち支離滅裂でんねんけど、わしが葬式の準備の手伝いしてて、『此れ誰の葬式やねん?』と聞いたら、『何言うてんねん、お前の葬式やないけぇ。』と言われてびっくりしましたんや。・・又、色んな先祖さんが、ニコニコ笑って次から次に出て来るし、わしの墓地に一本の墓標が建っていて、『誰のやろ?』とわしが見たら、まだ名前が入ってまへんねん。・・おそらくあそこに、名前が入ってたら、わしは今ここに居りまへんなぁ。・・仏さん先祖さんに助けてもろたんや。・・これは理屈やおまへんで。わしの経験だっせ。・・これからは、健康に気をつけて感謝して生きていこと思てまんねん。」と、(タバコを一服しながら)言われた。
 その〔一服のタバコ〕は気になったが、僕は今日のところは〔1敗〕してるので、注意はせずに「お身体、ご自愛を」とだけ言って帰宅した。

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