唐突ですが、・・皆さんは、あの世〔死後の世界〕ってあると思いますか?
えっ「お前はどやねん?」って・・〔まぁ一応、・・別に~(笑)〕。
では、その質問を《おしゃか様》にしてみたらどうなるか?
実はそんな事が実際にあったのです!これはそんなお話です。
『あの世ってあるの?おしゃか様!』〔仏教もの35〕《箭喩経(せんゆ・きょう)》より
(あらすじ)
昔、おしゃか様の弟子に〔マールンキャプッタ〕という若い弟子がいた。
この〔マールンキャプッタ〕、(舌を噛みそうなので、以後かわゆく〔マールン〕と呼ぶ)・・彼には悩みがいっぱいあった。
・・たとえば、「この世はいつ滅びるのか?」とか、「空の果てにはいったい何があるのか?」とかで、その中でもっとも頭を悩ませていたのが、「人は死んだらどうなるのか?あの世ってあるのか?」・・であった。
悩んだ末、マールンはおしゃか様に教えを乞いに行った。
おしゃか様は一つの《たとえ話》をされ、マールンの問いに答えた。
おしゃか様『マールンよ、想像してみよ。お前は一人森を歩いていたとする。その時、どこからか毒矢が飛んできてお前の胸に刺さった。その時、お前は・・、』
『この矢は自分を狙ったものか?はたまた偶然飛んできたものかと考えるかね?』
マールン「いいえ、そんな事は考えません」
おしゃか様『ではこの矢はいったい何の木でできているかと考えるかね?』
マールン「いいえ、そんなことは考えません」
おしゃか様『では聞く。お前は矢が刺さった時いったい何を考えるか?』
マールン「はい、毒矢をぬくことだけを考えます!」
おしゃか様『その通りだ、マールン。人間は生まれた以上、何もしなくても《死》に向かって進んでいる。《毒矢》が刺さったのと同じなのだ!・・マールンよ、お前は知らなくて良い事にあれこれ思い煩っている。その内に寿命はどんどんと短くなっているのだ。』
『魂があるとか無いとか、あの世があるとか無いとか、そんな事に思い煩わず、お前は今、生きている上で最も大事な《苦しみ》を解決する方法だけを考えよ。・・たとえば、憎しみの心で一杯になった時、又悲しみに打ちのめされた時、どうすれば自分の心を安らかに元に戻せるかを考えよ。又争いをなくす為にはどうすれば良いか、苦しむ人々をどうすれば助ける事ができるかを考えよ。・・その方法が見つかった時、おのずと《毒矢》はぬける!悟りが開くのだ。その時、お前の悩みはすべて解決するであろう。』
・・そう、おしゃか様はおっしゃいました。
この《たとえ話》によって、マールンはその後、あれこれ煩うのを止め、修行に専念することができたという事です。おしまい
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