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紙芝居:「ある抗議書」 その3

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 「・・私が家の中に入りますと、
 なんとっ、そこには、姉の遺体が布団の上に、そして兄の遺体が縁側に寝かされていました。
 司法大臣閣下、・・閣下は、肉親が凶悪な人間に惨殺された現場をご覧になった事がありますか? 
 それは、恐ろしさと悲しさが入り混じった想像もつかない光景です。
 つい前日まで、私と微笑みを交わしていた、たった一人の姉が、今、首に細いヒモを巻かれて倒れているのです。
 そして、兄までも・・。
 私は刑事に、「犯人は強盗ですか?・・それとも遺恨ですか?」と聞くと、
「わかりません。・・しかし、おそらく強盗でしょう。最近、同じ手口の事件が、何件も起きてますので・・。」と言われました。
 その時、父が到着しました。
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 父は、変わり果てた娘の遺体を半ば起こして、「おとし・・、おとしや・・」と何度も呼び続けました。
 ・・が、そんなことで、姉が甦るはずがありません。
 やがて父は、「おのれ、惨いことをしやがる!」と、溢れる涙を手の甲で何度もぬぐいました。
 そして、「おれは諦めるが、妻はどう思うだろう?・・」と、ポツンと一言呟いたのでした。」 つづく