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紙芝居:「ある抗議書」 その2

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「・・驚いて私が戸を開けると、そこには、『警察署』の印の入った提灯を持った小間使いらしき男が立っていました。
 そして、「こちらは、角野(すみの)さんのご親戚の御宅ですね?」と、尋ねられるので、
「はい、角野は私の義理の兄で、その妻〔とし〕は、私の実の姉でございます」と答えると、その男は、
「その角野さんの御宅が、今大変なんです。強盗が入りまして・・・。すぐに、誰か来て下さい!」と、それだけ言うと、あっと言う間に去って行きました。
 その話し声を聞いて、母は、家の奥でガタガタ震えておりました。
 私は父に目配せをすると、すぐに着替えて、姉の家まで駆け出しました。
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 十五町の道を、私は全速で走りました。
 そして、姉の家に着いた時、ちょうど中から明かりが漏れていて、私は一刻も早く姉を安心させてやろうと、急いで中に入ろうとすると、一人の丸刈りの刑事が出て来て、私の身元を聞きました。
 私が弟である事を告げると、刑事は、
「気の毒なことです。・・が、まだ検死が済んでおりませんので、手を触れないで下さい」と、言いました。
 「検死ですって!」
 それを聞いて、私は急いで中に入りました。
「姉さん、姉さんっ!」 つづく