住職のつぼやき[管理用]

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Y田さん、逝く

1月14日、特養老人ホーム『白寿苑』の名物男だったY田さんが亡くなった。
Y田さんの宗旨はSO-TO宗だったが、《遺言》もあって昨日、僕がお葬式を執り行った。(もちろん親族の了解も得てのことだ・・。)
 Y田さんは《片足》だった・・。
 若い頃、仕事場の工事現場で、トラックに乗り上げられる事故に遭い足を失ったのだ。
 事故を起こしたのは、Y田さんの可愛がってた後輩の若者だった。まだ新婚で小さな子のいたこの若者は、責任を感じて、「一生面倒をみます」と言ったそうだが、Y田さんは「あんたはまだ若いねんから、そんな心配せんでも良い」と言って賠償を拒否したらしい。・・・昔、(と言っても10年程前であるが・・)そんな話を直接聴いた。
 はにかみ屋で男気のある親切な人だったので、お葬式はたくさんの施設職員がお焼香に来た。配膳係のおばちゃんも来ていたのは驚いた。Y田さんに、色々と手伝ってもらっていたらしい。(親族は2人だったが・・、『そんなの関係ねぇ!』)
 焼き場まで行く途中、車の運転をしてくれた指導員のS田君が泣いて泣いて・・。それで、僕に車内でボソッと言った。「僕、今まで入所者の方と100人近くお別れしてきたけど、涙なんか流した事なかったっす。僕には《涙》など体内にないと思ってきたけど、今日はあきませんでしたわー。だって親とおった時間より、Y田さんと過ごした時間の方が遥かに長いんですもん・・。色々な事を教えてもらいましたわー。ほんま寂しいっすわー」と言った。阪神タイガースと競艇の好きだったY田さん、お別れです。又、お浄土で逢いましょう!合掌

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