住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

紙芝居:「洪庵のたいまつ」 エピローグ~南吉一先生のこと

『 「適塾」という、昔、大阪の〔北船場〕にあった蘭医学の私塾は、因縁からいえば、〔国立大阪大学〕の前身ということになっている。
 宗教にとって《教祖》が必要であるように、私学にとってもすぐれた《校祖》がある方が望ましいという説があるが、その点で〔大阪大学〕は政府が作った大学ながら、私学だけが持ちうる《校祖》を持っているという、いわば奇妙な因縁を背負っている。
 〔過書町の先生〕といわれた町の蘭方医《緒方洪庵》が、ここでいう〔校祖〕である。・・』 司馬遼太郎原作『花神』より

 ・・・この小説にあるように、『国立大阪大学〔医学部〕』の前身が『適塾』という事になる。
 長々と「紙芝居」を見て頂いたが、この司馬遼太郎師が書かれた『洪庵のたいまつ』という小説の〔たいまつの火〕は、今も脈々と受け継がれている・・と僕は思う。
ファイル 494-1.jpg(南先生編著の御本)
 それはこの〔大阪大学医学部〕卒で、現〔大阪大学大学院医学研究科 環境医学教室教員〕の『実習指導』に当たっておられる〔南吉一〕先生が、その〔たいまつの火〕の一つを受け継がれた方だと思っているからである。
 この先生は、変わっていて「創作紙芝居」を作って、末期患者の方の自宅に〔往診〕に行かれ、(これを『在宅ホスピス』という)点滴治療をしながら、枕元で患者さんに自分の作った『紙芝居』を(無理やり〔笑い〕)演じ、死にゆく患者さんを癒されている。(余談ながら、僕の父も、南先生に癒して貰いながら逝った・・これは以前、このブログで述べた。〔司馬遼ダブルパクリ!(笑)〕)
 この変わり者の先生、正に「洪庵のたいまつ」を受け継いだ立派なお医者さんで、一度脳梗塞で倒れられたが、ご自分でリハビリして治し、今も元気に『在宅ホスピスあおぞら』の所長をされ、「世の為人の為」と言いながら、患者さんの治療に当たっておられる。
 そして毎年、〔阪大医学生たち〕をつれて、アメリカのコロラド州にある本場〔サングレ・ド・クリスト・ホスピス〕に実習指導に行かれているのである。(ほんまに頭が下がる。なんでそんなに元気やねん!)
 医者の卵である医学生たちは、南先生の指導の下、本場アメリカのホスピス研修を受け、〔癌告知〕や〔緩和医療〕、そして〔在宅での看取り〕などを勉強し、そして『紙芝居』を使っての患者さんとのコミニケーションなども試み、心ある〔医師〕に育っていっているらしい。(『たいまつの火』は、確実に次の世代に受け継がれていっている)
 この国境を越えた(コミニュケーション・治療)の為の道具として、『紙芝居』が役立つものならば、・・これは新しい21世紀の『紙芝居』の使い方ではないだろうか!
 こんなおもろい偉大な医者:南吉一先生! 我々は〔南先生〕に感謝しなければならない・・かもしれない。
ファイル 494-2.jpg

コメント一覧

たけちゃん Eメール 2010年04月29日(木)19時36分 編集・削除

お久しぶりです!
ご存じですか?
本願寺のHPを見ていたら
こんな所がありました。
webtv.hongwanji.or.jp/dowa.html

カンネン亭 2010年04月29日(木)22時14分 編集・削除

たけちゃん様

ありがとうございます。
・・知らなかった。本願寺僧でありながら・・(笑)。
〔仏教童話〕拝見しました。
 面白かったです!情報ありがとうございました。

たけちゃん Eメール 2010年05月01日(土)22時41分 編集・削除

こんばんわ
一つぶのケシの種 たしかにありました
でも 観念寺さんの ほうがおもろいかも?

カンネン亭 2010年05月02日(日)23時21分 編集・削除

たけちゃん様

「けしの種の話(子供を亡くしたゴータミー)」の紙芝居は、もう一度、このブログで完全版として発表したいと思っています。
 いつか・・・

上に戻る