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紙芝居:「願わくば、花の下にて春死なん~西行法師の一生」 その8

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(西行)「・・そろそろ、わしの話も終る時がきたようじゃ。
 70歳を越えて、わしは、ここ〔河内の国〕の『弘川寺(ひろかわでら)』に、草庵を結んだ。
 思い返せば、23歳で、出家したのち、旅から旅の人生であった。
 わしは歌を作るのが好きじゃたので、旅をしながら多くの歌を作った。
 わしの作った歌は、いつしか《仏の声》そのものに成っていたような気もする。
 ・・・わしはのぉ、インドの〔おしゃか様〕に憧れた。そして〔おしゃか様〕を《お手本》としたかった。
 〔おしゃか様〕は、わしと同じ〔武家の名門〕の出身であり、子供がありながら家庭を捨てて出家し、一生、旅の人生を送られた。とても他人とは思えんかったんじゃ。
・・わしも願わくば、そうありたいと思って、おしゃか様の《真似まね人生》を送ろうと誓った。
 その真似も、願わくば、おしゃか様と同じ日に死ねれば、完璧なんじゃがと思っておったが、そううまくゆくまいとも思っておった。
・・が、どうやら、(一日遅れるが、)それがうまくゆきそうな気がするんじゃ。
 昨日(2月〔如月〕15日)は、おしゃか様のご命日。そして今日は、ご命日と同じ満月(望月)の日・・。そしてわしの好きな〔桜〕も満開!
・・完璧じゃ。完璧すぎる! 有難い、有難い。
・・ああっ、仏さま!お迎えに来て下さったのでございますか?
 はい、ご一緒に参ります。 ありがとうございます。南無仏、南無仏・・。」
『ガクッ!』(往生された音)
『パラパラパラ・・・』(桜が散った音、効果音じゃ。)
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「仏には桜の花をたてまつれ 我が後の世を人とぶらはば」(西行)
 行年73歳 おしまい
ファイル 479-3.jpg(現在の弘川寺内の『西行堂』)
ファイル 479-4.jpg(現在の弘川寺、本堂)