住職のつぼやき[管理用]

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当たり前の幸せ・・・

  今から、或る『老人ホーム』で亡くなられた方の「お葬式」の読経に行く・・。
 一人の身寄りの無い御老人(男性88才)のお葬式だ。
・・が、身寄りはあるらしい。
 娘さんが居られるらしい。
 どのような事情かは解らぬが、娘さんとは『絶縁状態』なのだそうだ。
 だから、(娘さんは)お葬式には来られない。
 お骨も受け取らないらしい・・。(後見人の弁護士さんからお聞きした。 遺言によって、別の或るお寺に納骨することが決まっている)
 昨日、施設職員の希望により、僕はその『お葬式』の執行を引き受けたのだが、今なんとも気が重い。
 昨夜、施設のそばの葬儀会館へお通夜に行ったのだが、会葬は、施設の職員二名と後見人さん一名だった。
 『葬儀社』もお金にならない、そのようなお葬式には素っ気がなく冷たい。
 会葬者もいないので「明日は、15分ほどで終わってほしい」とも言われた。

 ・・昨日の帰り、車を運転しながら考えた。
 『家族がある』という、当たり前の幸せ。
 「お骨をどうしようか? お墓へはいつ納骨しようか? 弁当はどこで頼もうか? あーだ、こーだ」と言い合い、悩める親族がある、当たり前の幸せ。
 我々は、その『当たり前の幸せ』にもっと感謝すべきではないかと・・。
 

コメント一覧

たけちゃん Eメール 2010年02月17日(水)18時50分 編集・削除

『家族がある』という、当たり前の幸せ。
なるほどそうだなー と思います。
 朝起きたら 生きているしあわせ!
 
何事も感謝です!

イベント坊主 URL 2010年02月18日(木)01時03分 編集・削除

「家族のいる当たり前の幸せ」とは
一度バツイチになった私には
胸につまされ、涙が出る話です。

今、核家族が増え、独居老人が門徒様にも多い。
そして、自活できなくなると老人は家族から
「ホーム」を薦められる。
老後にそんなところに入るために、
彼らは高度成長期を戦ってきたのか?
あの温かい昭和時代に、
歯を食いしばって子供を育ててきたのか?

今、PC、DSとPSPとPS3とWii、
iPODとハイブリッド車と、
液晶大画面TVでバンクーバー、
マクドにはニューヨークバーガー
(個人的にSUBWAYの味に似ていると思う)。
確かに昭和に無かったもので、便利で良い物ばかりだ。
しかし、この独居老人達が頑張った「昭和」には
今に無い「ぬくもり」があった筈だ。

「デジタル」と「快適」と引き換えに我々は
「ぬくもり」を無くしたのだろうか?
せめて、この「一人の身寄りの無い御老人(男性88才)」に「有難う」を言いたい。
「ありがとうございました。」

合掌

カンネン亭 2010年02月18日(木)12時23分 編集・削除

・・様々なご感想、ご意見、有難うございました。

 無事にお葬式は終りました。
 お葬式終了後、故人の施設に居りましたら、小さな〔引越し便〕で、お部屋から(故人の)生活道具が持ち運び出されるところを見てしまいました。(あの荷物、いったいどこにゆくのやろ?・・どこかで預かってもらえるのかな?)
 お骨もお写真も、その他の荷物も、何もかも受け取らないと言われている、実の(お葬式に来られなかった)お嬢さんは、後で後悔されないか?と心配です。
 そんな事を思いながら、お荷物の引越しを見ていました。
 それを一緒に見ておられた、同じ入居者の方の〔心の中〕も心配です。
 皆さんと共に、故人の思い出話を、一杯したいと思っています。
 

たけちゃん Eメール 2010年02月18日(木)20時21分 編集・削除

御院げさん
お葬式ごうろうさまです!

確かにそう思います!
昭和・・人のあたたかさですかね
 お嬢さんは後で後悔されないか?
 そうだとお思います。 しかし今はまだ無理かも?
人間とは後悔 後で悔やむように出来ていますから?

カンネン亭 2010年02月19日(金)11時55分 編集・削除

「まはさてあらん・・」

 『親鸞聖人』の「他力」のお話を書かせて頂きながら、阿弥陀様にすべてをお任せしていない「なんとかしたい!」という「自力」の自分がありました。 反省・・称名

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