住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「唯円房の歎き~『歎異抄』かく語りき~」 その4

(唯円)「・・さて、ここまでお聞きになられていかがですか?
・・えっ、『お前はよく、親鸞聖人のお言葉を覚えているなぁ・・。いったい、いつ、お聖人と出逢ったのか?』とお尋ねですか。
・・はい、では次に〔お聖人との出会い〕のお話をさせていただきましょう。
 ご存知の通り、〔親鸞聖人〕は京都のお生まれ。・・そしてボカァ(僕は)、関東の生まれ。
 そう、私は関東の或るお寺で僧侶となりました。
 それは、私がまだ若かった頃のこと。関東の地で〔念仏信仰〕についての大問題が起こりました。
 それで、『これは一度、親鸞聖人に直にお会いし、お尋ねせねばならない!』という事になりまして、仲間達とともに私は、〔十余ヵ国〕を命がけで越えて、京都までお訪ねしたのでございます。
 ・・それが、お聖人との初めてのお出会いでございました。
 ・・・お聖人は、こうおっしゃいました。」
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(親鸞聖人)『・・まぁ、遠い所をよう参られた。さぞや大変な旅であったろう!
 ・・あなた方の〔聞きたい事〕は解っておるぞ。
 《極楽浄土》に往生する為の方法は、〔念仏〕の他に有るのか、無いのか?・・それを聞きたいのじゃろう。
 はっきり、わしの考えを言おう。・・わしは《念仏の他に往生する方法など知らん!》
 難しき事を、教えて貰いたいと思うなら、比叡山や奈良の学者僧の所へ行って聞いてくれ。
 わしはな、《ただ念仏すれば、阿弥陀仏に助けられ、必ず往生できる!》と、おっしゃられた、わが師〔法然〕聖人のお言葉を、そのまま信じているだけなんじゃ。・・それで、念仏して本当に〔極楽浄土〕に往けるか、はたまた〔地獄〕に落ちるか、それもワカラン。
 しかしな、わしはそれで良いんじゃ。 
 たとえ〔法然〕聖人に、騙されて地獄に落ちようと後悔はせん!
 なぜなら、わしは〔念仏〕以外、何の修行も出来ん身だからじゃ。
 ・・何もできない身じゃから、どうせ、わしは〔地獄〕が我が家と決まった身じゃろう・・。
 ・・が、しかしじゃ・・。ここからが大切なんじゃぞ!・・つづくじゃ・・。ひっぱるのぉ・・』

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