昨日の老人ホーム『白寿苑』内、「法話会」での事。
会が始まる前、すでに集まって居られた何人かの人達と、僕は雑談をしていた。
話題は〔年齢〕のこと・・。
一人のお婆ちゃんが「あんた、年はいくつになられた?」と、隣のおじいちゃんに聞かれた。
「わしは、もう90才や。・・あんたはいくつや?」
「私は、82才。」と、答えたそのお婆ちゃんに、聞いていた皆が声をそろえて「まだ若いの~」と言われた。
それを笑って聞いていた僕は、「それなら僕はどうでしょうか?」と尋ねた。
すると、そのおじいちゃんは「住職さん、・・あんたは、まだ〔ひよこ〕や。・・ぴよぴよぴよ」と言われた。
それを、ぜんぜん聞いてないと思っていた端っこのお婆ちゃんが、突然「ひよこがねぇ~、お庭でぴょこぴょこかくれんぼ~、どんなにじょうずに隠れても~・・・」と大きな声で唄い出した。
僕は『この人、話を聞いてはったんや!』と驚きとともに歌の上手いのに感動してしまった。
しかしながら、その熱唱を無視して、先ほどのおじいちゃんとお婆ちゃんは、まだ「そういうあんたは若鶏か?」「いやいや、まだ卵やと思てます」と、どこまでも無茶な話を続けておられた。
端っこでは、まだ「ひよこ」の歌が、僕に向けてエンドレスで唄われている。・・・『いつ、止めよか』と迷いながら、『このまま時間よ、過ぎてしまえ!』と、くちばしの黄色い僕は心の中で思ったのであった。
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