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紙芝居:『杜子春(トシシュン)』 その3

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 杜子春は、峨眉山の深い谷に臨んだ、岩の上に降ろされました。
 仙人は言いました。
「杜子春、ワシはまだ用事がある。お前はワシが帰って来るまで、そこに座って待っておれ。
 よいか、ワシが居なくなると、色々な化け物や変化が現れるかもしれない。
 ・・が、たとえどんな事があっても、決して声を出してはならん。 一言でも口を利いたら、仙人にはなれぬと思え。よいな。」
 「はい、わかりました。」
 ・・・やがて、松風はこうこうと鳴り、星は冷たく光り、山の空気は冷え冷えと杜子春をつつみました。
 その時です!突然、「ウォーッ!」と、
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 大きなトラの化け物が、杜子春を睨みつけ現れました。
 又、後ろからは、大きな大蛇が口から炎を吐きながら、迫ってきます。
 杜子春は心を張り詰めて、じっと座っていました。
「ウォーッ」と、トラが叫び、ヘビも一緒に飛び掛ってきたかと思うと、その瞬間、二匹とも煙のように消えてしまいました。

 しばらくすると、今度は、もの凄い雨と風が、そしてカミナリが杜子春を襲いました。
 杜子春は岩から吹き落とされぬように、又、カミナリに打たれぬように、必死で地面にしがみついていました。
 その嵐もやがて治まったかと思うと、その時、突然・・、
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 「こらっ、お前はいったい何ものだ!」と、ワレ金のような大きな声が響き渡りました。
 それは、恐ろしく背の高い〔神将〕でした。
 神将は、三叉の矛を杜子春に向けて言いました。
「こらっ、返事をせんか! この峨眉山はワシの治める山じゃ。なぜ、お前はワシの断りもなく、ここにやって来たんじゃ。命が惜しかったら、名をなのれ!」
 しかし、杜子春は仙人の言いつけを守り、一言も声を出しませんでした。
 怒った神将は、「・・返事をせんな!・・では、しかたがない。命はもらった!」と言って、矛を杜子春の胸に突き刺しました。
 こうして、杜子春はそのまま絶命してしまいました。
 どうなる?杜子春! つづく