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紙芝居:『良寛さま』 エピローグ

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 70才になった〔良寛〕さまは、さすがに山の庵への昇り降りがきつくなり、村の後援者の家の離れを借りて、そこで住むことになりました。
 そこでの暮らしが始まったある日のこと。
 一人の若い〔尼僧〕さんが、〔良寛〕さまを尋ねて来ました。
その女性の名は〔貞心尼(テイシンニ)〕といい、夫と死に別れ、出家した人でした。
「良寛さま、わたくしは、あなた様のお噂をお聴きし、常々、一度お会いしたいと思っておりました。 本日、このようにお出会いでき、益々あなた様を慕う気持ちが、強うなりました。これから度々お伺いしても宜しいでしょうか?」と、〔貞心尼〕は言いました。
 〔良寛〕さまも、この孫娘のような美しい尼僧さんが気に入りました。「良いですよ。いつでも通っていらっしゃい。一緒に歌でも詠みましょう。」
〔良寛〕さま、晩年の恋愛にも似た感情でした。
しかし、すでにこの頃、〔良寛〕さまの身体は病に侵され始めておりました。
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〔良寛〕さまの病気は、今でいう《直腸ガン》(違う説もある)でした。
 その病が悪化し、寝たきりになった時、〔貞心尼〕が駆けつけ、一心に〔良寛〕さまを看護をしました。

 そしていよいよ、最後の時を向えようとしておりました。
〔貞心尼〕は涙を払いながら、〔良寛〕さまの耳元で歌を詠みました。
『生き死にの 境離れて住む身にも 避らぬ別れのあるぞ悲しき』と。
その歌を聴いた〔良寛〕さまは、かすかな声で・・、
『うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ』と返しました。
 それからまもなく〔良寛〕さまは、〔貞心尼〕のささげる末期の水を味わいながら、その74年の生涯を閉じたのでした。
 時に《天保二年一月六日》であったと伝わっております。
・・ちなみに、〔貞心尼〕は《明治五年》行年75才で、その生涯を終えたと伝わっております。  おしまい