住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『天親菩薩三兄弟』 (その3)

・・ここでもう一度、(前回からの復習の意もあり・・?)『だんご3兄弟』の歌を振り返りたい。
(3番)「・・弟想いの長男〔無着〕、兄さん想いの三男〔獅子覚〕、自分が一番次男〔天親〕、だんご3兄弟!」 この歌はある意味、《真理》です。 それでは続きを・・・。
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「兄さん、大丈夫ですか!?」と、汗を掻きかき〔天親〕さまは、兄〔無着〕さまの家に飛び込んで来ました。
 それを見て「おおっ、天親!来てくれたか」と、床からムクッと〔無着〕さまは起き上がりました。
「あれっ、兄さん。重病ではなかったのですか?・・まぁ、良かったですが・・。」と、〔天親〕さまは答えました。
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 すると〔無着〕さまは、「ふむふむ、すまんすまん、天親。身体はこの通り元気なのだが、心は重病だったんだよ。 私はお前のことを考えると、心が痛くて苦しくて、弟の〔獅子覚〕と相談して、お前を呼び寄せる為のお芝居をしたんだ。」
「・・でっでも、どうしてそこまでして、私を呼び寄せようとされたのですか?」と、〔天親〕さまは尋ねると・・・、
「私達はお前の『考え違い』を改めさせようと思ったんだ。お前は最近、『大乗の教え』の悪口ばかり言っておると聞く。・・出家だけが仏様に救われる方法だというのは、どこか間違ってはいないかい?」と、〔無着〕さまは、懸命に『大乗の教え』を説きました。
 元々、頭の良い〔天親〕さまです。〔無着〕さまのおっしゃることがすぐに解りました。
 そして、「兄さん、獅子覚、私が間違っていました。これからは私も『大乗の教え』をしっかり勉強したいと思います」と答えました。
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それからというもの、〔天親〕さまは、一心に『大乗』を学び、やがて、『浄土論』という立派な本を中心に、その生涯、一千冊の本を書かれ、《千部の論主》とまで言われるようになりました。そして、その名はやがてインド中に知れ渡り〔天親菩薩〕と呼ばれる程の仏教学者になられたという事です。
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〔天親〕さまは生涯に渡って、皆に次のように言われました。
「極楽浄土に往生する為には、厳しい修行などはいらないのです。ただ、《一心》に仏さまを信じるだけで良いのです。・・そして突き詰めて考えるならば、その《一心》さえも、仏さまから元々、我々は戴いたものなのですよ。 だから私たちは、その『有難さ』に気づき、『感謝』しましょうね」と・・。
 〔天親〕さまは、やがて80歳でお亡くなりになりましたが、この仲の良い『三兄弟』は、仏教会全体に永遠にその名を残すことになりました。 
 やがて、彼等の功績を讃え、NHKの『おかあさんといっしょ』の中で『だんご3兄弟』の歌として、彼らは永久に歌われる様になったということじゃ・・。嘘じゃ おしまい 『だんご!』

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