住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『王舎城の悲劇』 ~その3

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 ビンビサーラ国王が幽閉された事を聞き、イダイケ夫人は毎日、投獄された塔を見上げて、泣き続けました。 日に日にやせ細るイダイケ夫人・・。
 そんな姿を見るに見かねた息子〔アジャセ王子〕は、一日だけの約束で、王との面会を許しました。
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「あぁっ・・、あなた、なんという哀れなお姿に・・。さぁ、私は身体に蜂蜜を塗ってまいりました。これを舐めて滋養をお取り下さい。・・しかし、なぜ、このような事になったのでしょうか?」と、夫人は嘆きました。
「これも、よくよくの因縁であろう・・。このような目に遭うのも、自らが招いた事じゃ。・・しかし、イダイケよ、決して息子を恨むで出ないぞ。・・いつか、あの子を、正しい道に導いてやっておくれ」と、王はそう言いました。
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 「何っ!母上が身体に蜂蜜を塗って、父上に食べさせただと!許さん!母上も捕らえて投獄せよ」と、家来に話を聞いた〔アジャセ王子〕は、母親のイダイケ后も牢獄に入れてしまったのでした。
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 それから何日が経ったでしょうか。
 ビンビサーラ王は、ついに最後の時を迎えておりました。
「ああっ、すべては私の欲から始まった悲劇であった。しかし、私がこのまま死ねば、あの子は一生、父親殺しの罪に苦しむであろう。そうだ、私は自ら命を絶とう。・・おシャカ様、どうかあの子をお救い下さい・・」と言って、ビンビサーラ王は、自ら命を絶ったのでした。
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 王の死を、牢獄の中で聞いたイダイケ后は、「なんという事でしょう!自分の産んだ子供が、父親殺しの大罪を犯してしまった!これ程の地獄があるでしょうか・・。どうか、どうかおシャカ様、お救い下さい!」と狂ったように泣き叫びました。
 さあ、この後どうなるのか・・次回、いよいよ完結です!
 つづく・・

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