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紙芝居:『注文の多い料理店』 (前編)

 『注文の多い料理店』 宮沢賢治原作より(文学もの13)
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 今より、少~し前のお話。
 ここは、日本のと或る深ーい山の中。
 二人の男がカッコつけて、イギリス兵の真似をして、鉄砲担いで、犬つれて、猟に来ておりました。
 男A「ここの山はけしからんねぇ。鳥も獣も一匹もおらん。何でもいいから、早くこの鉄砲でダダァーンとやってみたいねぇ」と、残酷なことを言って歩いておりました。
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 二人は随分、山奥に入りました。
 そして、ついに犬までアワを吹いて倒れてしまいました。
 二人は犬の介抱もせず、先に進みましたが、結局、獲物は見つかりません。そして、ついに道に迷ってしまいました。
 風はドゥと吹き、草はザワザワ、木の葉はガサガサ鳴りました。(出ました!賢治さんの擬声語)
男A「もう歩けないよ。さっきから腹が空いて、横っ腹が痛くて堪らないんだ」
男B「僕もそうだ。何か食べたいなぁ」
 その時、フト後ろを見ると・・、
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 なんと、そこには『西洋料理店 山猫軒』と看板に書かれた、立派な西洋風のレストランがありました。
男A「『どなたでも、どうかお入り下さい』か・・。君、入ろう!」と、二人は中に入りました。
 中に入ると、扉に『当軒は、注文の多い料理店ですから、そこはどうかご承知下さい』と書かれてあり、そしてその扉の裏に『お客様、ここで髪をキチンとして、靴の泥を落として下さい』と書かれてありました。
男B「おお、ここはきっと作法の厳しい所なんだ」と云われた通りにしました。
 さらに進むと、又扉があり、『ここで、鉄砲や弾は置いて下さい』と書いてあり、そしてその扉の裏には、「ここで帽子と外套と靴とお取りください」とあって、みんな云われた通りにしました。
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 そして、まだ先に扉があって、そこに『メガネや先の尖ったものは、みんな外して下さい』と書かれてあり・・、その戸を開くと、そこに『つぼのクリームを顔や手足に塗って下さい』、さらに『壷のお酢の香水を振り掛けて下さい』とあり、二人はヤッターマンの悪役コンビのような顔になってしまいました。
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 ここに来て、二人はようやく、おかしい事に気がつきました。(鈍いやっちゃなぁー)
 そして、その次の扉の『色々と注文が多くてうるさかったでしょう。でも、もうこれだけです。そこにある壷のお塩を体中に、よく揉み込んで下さい』という文字を読み終えた時・・、
男B「どうもおかしい。・・僕が考えるに、つっつまりこの店は、来た人に西洋料理を食べさせてくれる店ではなくて、来た人を西洋料理にして食べてしまう店なんだ!」
男A「・・ということは、つまり僕達は!」と、二人はガタガタ、ガタガタ震え出しました。
 その時です。目の前の大きな扉の鍵穴から、金色に光る目玉が、キョロキョロ動いて、恐ろしい話声が聞こえてきました。
 あ~っ、どうなるのか、このボヤッキー達!ドロンジョ様はここにはいない!・・究極の『お仕置きだべ~』となってしまうのか? (あかん、賢治ワールドから離れていく・・)後編へつづく。