住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『白骨の御文章~蓮如上人からのお手紙2』(その4 最終回)

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『・・遺体はそのままにしておけないので、野辺に共に行き火葬する。
 すると、夕方から夜にかけて煙となって、後には白い骨だけが残る・・。
 あぁっ、なんと哀れな事じゃろう。
 ・・さてさて、死ぬことを考えると、人間のはかなきことは年寄りが先か、若者が後かは決まっておらぬ。
 だから皆さま方、いつかやって来る[死]というものを、常に忘れないようにして下され。
 そして、今を大切にして下されや。
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 もっとも大切なことは、極楽浄土へと導いて下さる[阿弥陀様]を頼りにして、お頼み申し上げることじゃ。
 それは、お念仏することなのじゃ。
 お念仏して下されよ。・・南無阿弥陀仏、なむあみだぶつ。
 ・・もったいない事、もったいない事。合掌』
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 こうして青木民部の縁者たちは、涙してこの『御文(おてがみ)』を味わいました。
「・・なんとっ、わが身に迫る無常な思いが心にしみる。
 蓮如さま、ありがとうございました。ナムアミダブツ、南無阿弥陀仏・・」と。
 その後、このお手紙は『白骨の御文章(御文)』という名で、ご門徒たちに広く伝わり、時代を越えて多くの人に拝読されることになったという事です。 おしまい

(ほんの少しあとがきを・・)
 以前、私の友達の僧侶から「蓮如上人の『白骨の御文章』は、蓮如さまのオリジナルではないよ。あれは、縁者にあたる[存覚(ぞんかく)]様と後鳥羽上皇の文章を基に、蓮如さまが作られたものだよ。」と聞いたことがある。
 僕は「へっ~、そうなの⁉」と聞いていろいろと調べてみたら、その通りであった。・・知らんけど、(笑)・・本当の史実はどうなのかは?
 ・・しかし、この文章の持つ響きや深さ悲しさは、蓮如上人が持つ人間的魅力(発せられるインパクト)にぴったりではないかと、この紙芝居ではあえて『蓮如上人からのお手紙』という題名にさせて頂いた。余計なことだけど少し足させていただく。

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