住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「執(とら)われざる者~二人の僧侶の話」(その1)

(はじめに)
 ・・一つのことに、心が執(とら)われて、そこから離れない事を執着(しゅうちゃく)という。
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 昔々のお話。
 二人の修行僧が旅をしておりました。
 歳を取った兄弟子の僧侶は、若い弟弟子の僧侶にいつもこう言っていました。
 「仏教の修行とは厳しいものじゃ。・・心が乱れるので、若い女性には触れてはいけないぞ。」と、いつも言っておりました。
 「はい、わかりました。」と若い僧侶は、この兄弟子の言葉をしっかり守っておりました。
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 そんなある日。
 或るところで、一人の若い娘がしゃがみ込んで泣いておりました。
 「どうしたのかな?娘さん」と、兄弟子は尋ねました。
 すると、
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 「あっ⁈はい、お坊様。・・いつもここは、川が出来ていないのです。・・が、昨日の大雨で、ここが川になってしまいました。
 私は大事な用があって、急いで向こう岸まで行きたいのですが、どうしても怖くて行けません。・・どうしたものか⁈と思って、それで泣いていたのです。」と、娘は言いました。
「ああっ、そんなことで泣いていたのですか。」と、兄弟子は答えたと思うと・・。
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 ひょいっと、娘を[お姫さま抱っこ]をしたかと思うと、バシャバシャと川を渡ってしまいました。 つづく

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